こんにちは、ロボマインドの田方です。
人間のように何でもできる人工知能、それを汎用人工知能といいます。
汎用人工知能のヒントになるのが、チューリング・テストです。
それを考えたのが、天才数学者、アラン・チューリングです。
前回は、ここまで、お話ししましたよね。
この、チューリング・テストというのを考えたのが、数学者、アラン・チューリングです。(チューリングの写真挿入)
アラン・チューリングって、コンピュータの理論を考えた人でもあるんですよ。
コンピュータの発明者の一人といってもいいです。
プログラムで何でも計算できるって数学的な理論を証明した人なんです。
万能チューリング・マシンって言うんですけど。
チューリングは、コンピュータの発明に関わっただけじゃなくて、人工知能の可能性を最初に提唱した人でもあるんです。
それが、チューリング・テストです。
いや、ホンマモンの(本物の)天才です。
でも、天才って、長生きできないんですよね。
チューリングも、41歳の若さで亡くなっています。
チューリングの人生を考えると、ホント、こんな人生あるのって、
国家って、いったい何、っていつも思うんですよ。
ま、今日は、そんな話するつもりないんですけど。
これ話すと、長くなるからなぁ・・・
でも、今日は、予定を変えて、チューリングの話、させてください。
みんな、あまりにも、知らなすぎるんですよ。
この人のこと。
チューリングと言えば、映画にもなったので、知ってる人もいると思いますが、
第二次世界大戦中、ドイツ軍の暗号エニグマの解読に成功した人です。(映画写真挿入)
暗号を解読して、ドイツのUボートの位置を特定できたんですよ。
それだけで、勲章に値する功績なんですけど、チューリングの役目って、
それだけじゃなかったんです。
解読したUボートを全部沈めたら、暗号を解読したって、敵にばれるので、
それをばれないように、全部は攻撃せず、一部だけ攻撃することにしたんです。
それで、国は、その決定を、チューリングに任されたんですよ。
つまり、本当は救える味方の命を、自分の決定で見殺しにするってことなんですよ。
こんな辛い仕事、ないですよね。
不幸は、これだけじゃないです。
暗号解読って、軍の最高機密ですよね。
だから、チューリングが軍で働いてることは、家族にも秘密にしないといけなかったんです。
お母さんすら、自分の息子が何の仕事してるのか知らなかったらしんですよ。
でも、そんな生活も、戦争が終わるまでですよね。
戦争に勝てた理由の一つは、間違いなくチューリングにあるので、戦後は、勲章をもらって今までの苦労が実を結ぶってことになりますよね。
ところが、そうはならなかったんです。
暗号って、戦争が終わっても使い続けるので、イギリス軍は、暗号解読に成功したことがばれるのを恐れて、チューリングに勲章を渡すどころか、暗号解読の仕事をしていたこと(を)すら、他人に一切しゃべらないように強制してたんです。
国を救った英雄が、こんな扱いを受けるって、そんなこと、あります?
でね、まだ、終わらないんですよ。
チューリングは、同性愛者だったんです。
今なら、そんなこと、騒ぐような話でもないんですけど、
当時のイギリスでは、同性愛は、犯罪だったんですよ。
犯罪ですよ。
比喩じゃなくて、本当の犯罪なんです。
1952年、ふとした事件がきっかけで、チューリングが同性愛者だとわかったんです。
同性愛は犯罪なので、監獄に入るか、ホルモン注射を打つかの選択を迫られたんです。
チューリングは、苦渋の選択で、ホルモン注射を打つことを受け入れたんです。
かなりキツイ注射だったようで、それも、一生、打ち続けないといけなかったようなんです。
この頃は、まだ、チューリングの功績は秘密裏にされてたので、世間からは、同性愛の犯罪者としてしか見られていません。
そして、1954年
ホルモン注射の苦しみに耐えきれなかったのか、チューリングは自殺してしまったんです。
ベットの脇に、かじりかけのリンゴが落ちていました。
そのリンゴには、青酸カリが塗ってあったそうです。
これが、チューリングの生涯です。
チューリングの機密が解除されたのは、死後、20年以上経った1970年代になってからです。
国家って、いったい、何なんでしょう。
最後に、この話をして終わりにしたいと思います。
この、ロゴ、皆さん、みたことあるでしょう。(アップルのロゴ挿入)
アップルコンピュータのロゴです。
このリンゴ、齧られていますよね。
なぜ、齧られてるか、もう、わかりましたよね。
そう、このリンゴ、アラン・チューリングが最後にかじったリンゴなんです。
これは、スティーブ・ジョブズなりの、アラン・チューリングへのリスペクトを示してるんですよ。
このロゴを見るたび、チューリングのことを思い出してくれたらと思います。
それでは、次回こそ、チューリングテストについてお話したいと思います。