ロボマインド・プロジェクト、第109弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。
100回を超えてきたので、初めて見る人もいると思うので、ここらで、ロボマインド・プロジェクトの全体像を整理したいと思います。
ロボマインド・プロジェクトの特徴は、実際に、コンピュータで心を創っていることです。
しかも、開発しながら、実際に動くシステムを公開しています。
つまり、少しずつ、人間の心ができてくるのを、リアルタイムで見ることができるんですよ。
こんなん、他にないでしょ。
今、公開してるデモは、二つあります。
一つは、第70回「ついに完成! 世界初! 言葉の意味を理解するAI」でお見せした、「見る」とか「隠れる」って言葉の意味を、どうやってコンピュータが理解するかってデモです。
もう一つは、第100回「待たせたな。これが、心のプログラムだ!」でお見せした、「怖い」って感情と、感情を元に、行動を決定する「考える」って仕組みでのデモです。
それでは、ロボマインド・プロジェクトの全体像の解説を始めますよ。
まずは、ロボマインド・プロジェクトの一番の根本にある、僕の疑問からお話ししようと思います。
それは、
「みんな、これ、なんか、おかしない?」
っていう思いです。
みんなっていうのは、なんていうか、学問全体に対してです。
僕が創ろうとしてるのは、普通の会話ができるAIです。
会話をするには、相手の気持ちを理解できないといけないですよね。
だから、どうしても避けて通れないのが人間の心なんです。
コンピュータで心を創らないといけないんですよ。
心です。
これが厄介でしてねぇ。
何が厄介かって言うと、いろんな分野が関連するんですよ。
AIだけじゃなくて、脳科学から、心理学、哲学まで、いろんな人がいろんなこと言ってるんですよ。
でもね、何ちゅったらええかなぁ。
ど真ん中が抜けてるんですよ。
どういうことかっちゅうとね、僕らが、ふっつーに感じてることを、ちゃんと説明してくれる理論がないんですよ。
ロボマインド・プロジェクトが目指してるのは、ごく普通の日常会話です。
「宝くじで、1億円当たったら何買う?」
「そやなぁ、やっぱり、車買うかなぁ」
とか、こんなですわ。
でもね、たとえば心理学やったら、深層心理とかを読み解こうとするんですよ。
幼少期の出来事が、その人の行動に影響を与えてるとか。
車は暴力の象徴だ。
車が欲しいのは、きっと、幼少期に親から虐待されたに違いない。
とか。
まぁ、当たってるかどうか分からんけど、
そんなことわからんでも、
「宝くじ当たったら、車買いたいなぁ」って会話ぐらい、できるしょ。
それから、哲学やったら、人は何のために生きるのかとか、そんなこと考えてます。
「はたして、人生の目的は、お金なのか?」
そんな深い会話は、その次の段階です。
まずは、
「うっわ! 1億円当たった、ヒャッホー」って。
そんなあっさーい心が作れたら、それで十分なんですよ。
それじゃぁ、そんな、あっさーい心なら作れるのかって言うと、それすらできないのが今のAIなんです。
今の会話AIがやってることって、「こんにちは」といえば「こんにちは」って返すって、シナリオを書いておいて、シナリオどおりの会話しかできないんですよ。
言葉の意味を理解してないからです。
科学者も、哲学者も、みんな、ものすごい難しいこと考えてるでしょ。
それやのに、
「1億円当たったら、車買いたい」とか、
そんな低レベルの心すら、誰も、作れないんですよ。
なんか、おかしいでしょ。
これが、僕がずっと感じてた、疑問なんですよ。
でも、その程度の心やったら、作ろうと思ったら作れるんちゃうん?
そう思うでしょ。
僕も、そう思ったんですよ。
リバースエンジニアリングって言葉、聞いたことあります?
リバースエンジニアリングっていうのは、完成品を真似して、同じものを作ることです。
たとえば、ライバル会社の製品を買ってきて、それを分解して、同じ製品を作ることです。
僕がやろうとしてるのは、心のリバースエンジニアリングです。
なんせ、完成品の心は、自分が持ってるわけですよ。
自分の心が感じるのと同じように動くシステムを作るだけの話です。
簡単ですよね。
で、さっそく取り掛かってみました!
ところがね、しょっぱなから、大きな問題にぶつかったんですよ。
物を認識するってどういうこと?
これがわからないんですよ。
目の前に机があるとするでしょ。
机があるって認識するって、どういうこと?
何がどうなったら「ある」って認識できたことになるの?
こっからなんですよ。
世界を認識する。
全てのスタートはここなんですよ。
世界を認識できるから、世界にある物も認識できます。
認識した物をを使って、考えることができるわけです。
ほんで、それを表現したのが言葉です。
こうやって、会話ができるようになるんです。
つまり、一番重要なのは、物を認識するってことなんです。
それさえできれば、そっから先は、何とでもなるんですよ。
それで、普段、あったり前に見て、認識するってどういうこと。
これを、徹底的に疑ってみたんですよ。
目の前に机があるけど、本当に、目の前に机があるのとか。
そうしたらね、とんでもない説を思いついたんですよ。
さすがに、それはないやろって思ったんですけどね。
でもね、この説を使うと、今までの問題が、すべてキレイに解決するんですよ。
じゃぁ、それはいったいなんやねんって思いますよね。
それを、今から説明しますよ。
いいですか。
どういうことかと言うと、今、僕らは、こうやって世界を見てるじゃないですか。
この目を通して、外にある世界を見てますよね。
それがね、そうじゃないって思ってみたんですよ。
世界は、外にはないって。
そんなわけないやろ。
じゃぁ、何を見てるの?
ってなりますよね。
外にある世界を見てるんじゃなくて、外にある世界を頭の中に創りだして、頭の中の仮想世界を見てるんです。
これを、「意識の仮想世界仮説」と呼んでます。
それを示す具体的な証拠は、第19回~第21回の動画で詳しく解説してますので、興味ある人は、それを見てください。
世界は、頭の外にあるんじゃなくて、自分が、自分の頭の中に創りだしたものだって。
こう解釈すると、全ての問題が解決するんですよ。
目の前に机があるって、頭の外にある机を見てるわけじゃないんです。
頭の中に3次元空間を創って、その中に、3Dモデルの机オブジェクトを配置して、それを意識が認識するわけです。
3DCGで作れば、大きさや重さも設定できますよね。
これが、大きさや重さの意味です。
こうやって意味が理解できるのは、自分で世界を創ったからなんです。
世界って、目で見える3次元世界だけじゃないですよ。
お金も世界の一種です。
3次元世界と違って、お金の世界は高いか安いかの1次元です。
1万円より、1億円のほうが、はるかに価値があるって理解できるのは、頭の中にお金世界があるからです。
お金以外にも、時間の世界もあります。
こういった世界を創るのは、無意識です。
そして、無意識が作った世界を認識したり、操作するのが意識です。
そして、意識が認識するのは世界ともう一つあります。
それは、心理パターンです。
心理パターンっていうのは、感情とか善悪といった倫理観です。
1億円あたって嬉しいというのも、嬉しいって感情を発生させる心理パターンです。
困ってる人がいたら、助けるべきって思うのは、善悪って心理パターンを持ってるからです。
この心理パターン、じつは、ものすごく重要な役割があるんです。
何かわかりますか?
それは、行動や言動を決めることです。
歩いてたら、困ってるおばあさんを見かけたとしましょ。
おばあさんがいる世界を作り出したのは無意識です。
世界を認識するのは意識です。
その世界に心理パターンを当て嵌めると、「困ってるおばあさん」が認識できるわけです。
そして、「困ってる人は助けるべき」って行動が生まれます。
そうやって、意識は行動を決めるわけです。
「おばあさん、大丈夫ですか?」って声をかけるわけです。
会話が始まります。
これがロボマインド・プロジェクトの全体像です。
まとめますよ。
ロボマインド・プロジェクトは、大きく3つに分かれます。
世界を創る無意識、世界を認識する意識、そして、行動を決定する心理パターンの3つです。
これまでの動画では、いろんなことを話していますけど、この3つのどの話をしてるのかが分かると、全体の見通しが良くなると思います。
たとえば、第108回「なぜ、効かないとわかっているのに、人は、猫除けのペットボトルを置き続けるのか?」は、これは心理パターンの話だって分かりますよね。
これでわかりましたよね。
会話をするのが、どんだけ、大変か。
世界を創って、それを認識する意識を作って、意識が、心理パターンを選んで、ようやく発言内容を決めることができるんです。
「こんにちは」って言えば、「こんにちは」って返すとか。
そんなシナリオをいっぱい書けば、会話ができるとかって。
そんなん、会話をなめてます。
人間の心を甘く見過ぎてます。
心を創るって、結構、大変なんですよ。
大変ですけど、出来ないことはなさそうやって、わかりましたよね。
それを、少しずつやってるのがロボマインド・プロジェクトです。
こんなことやってるの、世界中でここだけなんです。
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それでは、次回もお楽しみに!