第116回 パラレルワールドに行って戻ってきた話。


ロボマインド・プロジェクト、第116弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。

みなさん、パラレルワールドって知ってますか?
この世界とそっくり同じ世界がねぇ、いくつもあるんですよ。
ほんで、その世界には、別の自分が暮らしてるんですよ。
でも、ちょっとずつ違うんです。
ある世界の僕は、サラリーマンを続けてて、別の世界の僕は、中学で理科の先生やってるんです。
ほんで、今、会社の会議や、理科の授業でしゃべってるんです。
「みなさん、パラレルワールドって知ってますか?」って。
それじゃぁ、ちょっとパラレルワールドに言っていきますね。
はい、今、戻ってきました。

チャンネル変えるのは、もうちょっと、待ってください。

このパラレルワールドの移動って、普通の人は、なかなかできないみたいなんですよねぇ。
これが、今回のテーマです。
よく、分からないですかねぇ?

それじゃぁ、もう少し説明します。
いつも、例に挙げるライントレーサーで説明します。

ライントレーサーって、白い紙に書いた黒いラインに沿って走るマイコンロボットです。
車体の下に、黒い線からのずれを検出するセンサーがあります。
ほんで、センサーに基づいてラインの中心を走るように、マイコンでタイヤを制御するわけです。

センサーは、横一列に8個とか並んでて、それぞれ、下が白か黒か検知してて、真ん中に黒が来るように制御するわけです。
制御プログラムは、センサーからのデータを受け取って、タイヤを制御します。
プログラムが受け取るデータは、白白白黒黒白白白とかってデータになるわけです。

さて、このライントレーサーは、世界をどう感じてると思います。
たぶん、白と黒の8個の点が一列に並んでるのが世界やと思てます。
それじゃ、ちょっとかわいそうですよねぇ。
そこで、センサーをもっと高級なのに変えてあげましょ。
100万画素のCCDカメラに変えます。
でも、制御プログラムは、一列のデータしか受け取れませんよね。
そこで、カメラからのデータから、一列だけ取り出します。
それだけでも、10万個ぐらいになります。
そしたら、かなり、きめ細かな制御ができるようになりそうですよね。
でも、変わるのはそのぐらいです。
相変わらず、世界は横一列の点だと思ってます。
世界は、1次元やと思ってるんです。

でも、世界はそうじゃないですよね。
世界は、3次元です。
縦、横、高さがありますよね。
じゃぁ、それを認識できるようにするには、どうすればいいでしょう?

そのためには、制御プログラムが受け取れるデータを変えないといけないんです。
3次元のデータを受け取れるようにしないといけないんです。
そのためには、どうすればいいでしょう?
まず、3次元空間をつくります。
ほんで、カメラからのデータを基に、3次元空間に世界をつくるわけです。
そのデータを受け取れば、縦横高さがある3次元世界を認識できるようになりますよね。

さて、本題はこっからです。
世界が3次元だって、僕らは当たり前に知ってますよね。
3次元だって知ってるから、世界を横一列の点々でしか認識してないライントレーサーは、間違ってるとか、可哀そうだって思うわけです。

ここから分かることって何でしょう?
それは、現実の世界がどうなってるのかって決めるのは、現実の世界そのものじゃなくて、頭の中の世界だってことです。
頭が、どんな世界を認識できるかってことで、世界は決まるんです。

さて、最初の話に戻りますよ。
僕は、パラレルワールドを行ったり来たりできるんですよ。
さっきは、3つとなりのパラレルワールドに行って戻ってきました。
この、言ってる意味がよく分からないとしたら、なぜでしょう?

それは、頭の中に、パラレルワールドを認識できる構造がないからです。
ライントレーサーで説明しましたよね。
実際の世界が3次元であっても、プログラムが1次元しか理解できないと、3次元が理解できないって。
それと同じなんですよ。
パラレルワールドが存在するのに、頭が、それを認識できるようになってないから、理解できないんですよ。

意味を理解するっていうのは、頭の中に、その世界があるってことです。
頭の中に3次元世界があって、それを現実世界に当てはめてるわけです。
先にあるのは頭の中ですよ。
頭の中にないものは理解できないんですよ。
ライントレーサーの頭の中にあるのは1次元です。
現実世界が3次元だとしても、1次元としか感じれないんです。

パラレルワールドの話に戻りますよ。
現実世界は、じつは、無限のパラレルワールドが存在するんですよ。
でも、ほとんどの人の頭は、現実世界は一つって世界観となってるから、パラレルワールドを認識できないんですよ。
残念ですけど、このたった一つの現実世界を生きるしかできないんですよねぇ。

なんか、まだ、納得できてないようですねぇ。
それじゃぁ、別の例も挙げてみます。
カプグラ症候群って聞いたことありますか?
これは、ちょっと不思議な精神疾患なんです。
どういうものかっていうと、家族とか、親友とか、身近な人が、瓜二つの替え玉入れ替わったって感じてしまうんです。
なんかねぇ、ある日、突然、身近な人が、宇宙人にのっとられたように感じるらしいんですよ。
見た目も、しゃべってることも、いかにもその人っぽいんですけどね。
でも、気づいてしまうんですよ。
この人は、絶対、乗っ取られてるって。

それでは、これを、意識の仮想世界仮説に当てはめて考えてみます。
意識の仮想世界仮説は、頭の中に仮想世界をつくって、それを意識が認識するってモデルです。
仮想世界に人や物のオブジェクトを配置して、意識はそれを認識します。
オブジェクトは、色や形や名前とかって、いろんな属性を持てます。
人オブジェクトなら、その人の声とか、その人の思い出とかも持てるわけです。
頭の中のデータベースには、いろんな人オブジェクトがあるわけです。
人に会ったとき、名前とか見た目でデータベースを検索するんです。
ほんで、一致すれば、目の前の人と、データベースの中の人が一致したってマークを付けて、「あぁ、○○ちゃん、久しぶり」って話しかけるわけです。

たぶん、カプグラ症候群の人は、一致したってマークを付けるって処理が上手くできなくなったんやと思います。
特定の人に、一致マークが入らなくなったんやと思います。
だから、検索条件では同じはずってなるのに、一致マークが付いてないから、なんか違和感を感じるんです。
見た目も、しゃべり方もそっくりやけど、どうも、本人とは思えない。
あ、そうか。
この人は、宇宙人にのっとられてるんや。
みんな、騙されるなよ!
って思うんです。

他の人がどう思おうと、本当の現実世界がどうであろうと、本人が、そう感じるってことは、その人の頭の中がそうなってるんです。

まず先にあるのは、頭の中の世界だって言いましたよね。
それに合うように、現実世界を当てはめるんです。
目の前の人が、本当に本人かどうかは関係ないんです。
宇宙人に乗っ取られた別人って、頭の中で認識したら、その人は乗っ取られた宇宙人なんです。

いや、もしかしたら、その人が正しいのかもしれませんよ。
本当に宇宙人にのっとられてるのかもしれません。
それに気づけるのは、その人だけなんかも知れません。

この世界は、じつは、パラレルワールドの一つなのと同じです。
行き来できるのが僕しかいないのと同じです。

重要なのは、実際はどうなのかってことじゃないんです。
頭の中の世界がどうかってことなんです。

今までの科学は、頭の外の世界しか対象としてませんでした。
おかげで、量子から宇宙の果てまで、もう、ほとんど解明できてきました。
でも、頭の中の世界は、ほとんど誰も手を付けてません。
頭の中といっても、脳の中って意味じゃないですよ。
脳が認識してる世界ってことです。

そろそろ、頭の中の世界まで、科学で解明してもいいじゃないでしょうか?
それをやってるのが、ロボマインド・プロジェクトです。
興味がある人は、ぜひ、チャンネル登録してください。
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それでは、次回も、お楽しみに!