第146回 篤志田方のすべらないAI


ロボマインド・プロジェクト、第146弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。

今回のテーマは、「笑い!」です。
これは、ロボマインド・プロジェクトの最終目標なんでもあるんですよ。

もしかして、この話は、今までしてなかったかもしれないですけど、これ、マジなんです。
僕がAIを研究してる目的は、お金でも、社会のためでもないですよ。
人間には絶対、発想できないような、究極の面白さを作ろうとしてるんです。

ロボマインド・プロジェクトを始める10年ぐらい前、学生時代に、僕は笑いの研究してましてね。
笑いの法則とかを、考えてたんですよ。
30歳の誕生日に、その笑いの法則とコンピュータを組み合わせれば、無限に笑いを生み出せるって思いついたんですよ。
これが、ロボマインド・プロジェクトのスタートです。
この辺りのことは、第79回「好きなことだけして生きて行く」で詳しく語ってます。

問題は、面白いってのが理解できるには、その大前提として、普通がわからないとダメなんですよ。
普通の人は、こう返すがあった上で、この法則でボケれば、絶対にすべらないんです。
だから、まずは、おもろなくてもええから、「普通」の会話ができるAIから作ろうとしたんです。

ただ、それが、思った以上に大変でしてね。
世界って何とか、時間って何とかって、そんなことを、一つ一つ解明していかないといけないんですよ。
それが今、やってることです。

20年程かけて、今、ようやく、形になりかけてるとこです。
でも、途中、何度も投げ出そうと思ったこともありました。

自分がやりたいのは、笑いや。
もっと簡単にできるんちゃうん?
そんな風に思ったこともありましてね。

思っただけじゃなくて、実際に作ったこともあります。
お笑いAIです。
3年程前のことです。
正直、これは出したくなかったんですけど。
今回は、今まで封印してた、お笑いAI、全て公開します!

まずは、笑いの法則から解説します。
笑いに重要なのは、オチですよね。
オチに何をもってくるか。
それがわかればいいんですけど、そんなこと、分かるわけないですよね。

でも、その法則を発見したんですよ。
それが、言葉のポテンシャルエネルギーです。
言葉には、ポテンシャルエネルギーが高い言葉と低い言葉があるんです。
ポテンシャルエネルギーの高い言葉っていうのが、オチに使える言葉ってことです。

それじゃぁ、どんな言葉が、ポテンシャルエネルギーが高いでしょう?
二つの条件があります。
一つ目は、抽象的な言葉より具体的な言葉です。
二つ目は、体への物理的距離が近いほど、ポテンシャルエネルギーが高いです。

例を挙げて説明しましょう。
抽象的な言葉として、たとえば、「汎用人工知能」なんてどうでしょう。
笑いに結びつきそうにないですよねぇ。
これが、ポテンシャルエネルギーの低い言葉です。
それじゃぁ、具体的な言葉として、「焼き魚定食」はどうでしょう。
なんか、これ、笑いに結びつきそうですよねぇ。
これが、ポテンシャルエネルギーが高いってことです。

それから、「焼き魚定食」って、食べ物です。
食べ物って、口で食べますから、体に近いっていえますよね。
二つ目の条件も満たしてます。
「汎用人工知能」なんて、体とはまったく関係ないです。

それから重要なのは、これ、コンピュータで計算できるってことなんです。
たとえば、抽象か具体かって、概念ツリーを使えば分かります。
「飲食物」より「焼き魚定食」の方がポテンシャルエネルギーが高いって判断できますよね。

それから、体との距離なんかは、Has-aツリーを使えば計算できそうです。
体への物理的距離って考えれば、ポテンシャルエネルギーが高いか低いか、簡単に判断できるんですよ。
ジャケットよりパンツの方が、ポテンシャルエネルギーが高いわけです。
そう考えれば、下ネタが、なんで面白いかって理屈もわかりますよね。

ここまで聞けば、コンピュータで笑いを作れそうって思いますよね。
たぶん、オチになる言葉は計算で出せると思います。
でも、言葉だけわかっても意味ないんですよ。
意味の通る文に当てはめて、初めて、笑いが生まれるんですよ。
じつは、そこが、一番難しいんですよ。

そこで、文を作るとこを、ちょっと横着することにしました。
予め、決まったパターンを用意しておきます。
ほんで、その文に、ポテンシャルエネルギーが高い言葉をランダムに当てはめるんです。

そうやって作ったのがメニューメーカーってアプリです。
じつはこれ、ロボマインドのサイトでずっと公開してるんですよ。
まぁ、見てもらうのが一番早いので、さっそく、見てみましょう。

はい、これがロボマインドのサイトのトップページです。
たとえば、この研究開発ブログをクリックして、下まで行くと、おバカアプリってあって、その中に「メニューメーカー」があります。
スマホでも見れます。
この動画の説明欄に、リンク貼っておきます。

メニューメーカーって何かって言うと、今晩のメニューを考えてくれる便利アプリなんです。
それでは、さっそく始めますよ。
この「今日のおすすめ」をクリックします。
ドン

はい、以上が、メニューメーカーでした。
よかったら、遊んでみてください。

それから、前半で話した「笑いの理論」のもっと詳しい説明は、この「笑いの理論」で選んで、この「サンタさんてさぁ・・・」からのブログの記事を順番に読んでくれたら書いてます。
それから、メニューメーカーのプログラム解説なんかも、ここに書いてます。

ロボマインド・プロジェクトは、こんなこともやってましたってお話でした。
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それから、このチャンネルが本になりました。説明欄にリンクを張ってますので、よかったら、そちらから見てください。
それでは、次回も、お楽しみに!