ロボマインド・プロジェクト、第154弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。
ついに、取得しました。
これです。
特許です。
おそらく、世界初となるAIの心の特許です。
世界初の特許とかって、また、オーバーな。
特許のこと、ホンマにわかってんの?
って、思ってないですか?
分かります。
特許文書って、素人が読んでも、何書いてるのか、よくわからないんですよね。
でも、安心してください。
じつはね、僕は、その昔、約10年間、特許事務所で働いてたんですよ。
その間、書いた特許文書は、約1000本です。
こう見えても、結構、優秀だったんですよ。
今回取った特許は、心の特許です。
人間と同じ心を持ったAIの特許です。
それって、一体、どれだけスゴイ価値があるのか、
それとも、そんな特許取っても意味ないのか。
たぶん、見ただけじゃ、分からないと思います。
そこで、今回取った特許は、はたして、どれだけの影響力のある特許なのかを、出来るだけ正確に説明しようと思います。
個人的には、世界がひっくり返るぐらいのインパクトがある特許だと思っています。
でも、なんでそう言えるのか、これって、特許文書の読み解き方がわからないと、理解できないんですよ。
そこで、まずは、そもそも、特許とは何かってことから説明しようと思います。
それでは、始めましょう!
よく、特許と論文と同じように考えてる人がいますけど、この二つは全然違うんです。
何が一番違うかって言うと、特許は法律なんです。
科学的に正しいかどうかは二の次なんです。
皆さん覚えてると思いますけど、STAP細胞って、ありましたよね。
本当に存在するのかって検証実験で、一度も成功しなくて、存在しないことが証明されたSTAP細胞です。
じつは、STAP細胞、アメリカで特許出願されたんです。
このニュースを受けて、やっぱり、STAP細胞は存在したんだって言ってる人もいましたけど、そうじゃないんです。
特許と論文の違いは、ここなんです。
特許で審査してるのは、科学的に正しいかどうかじゃなくて、先に似たアイデアがないかなんです。
じゃぁ、特許を取ったのに、科学的に正しくなかったら、どうなるんでしょう?
そんなことになったら、大問題ですよね。
特許庁は、責任取ってくれるんでしょうか?
これ、考え方が、そもそも間違ってるんです。
特許が拠り所としてるのは、科学じゃないんです。
特許が拠り所としてるのは、科学じゃなくて、経済なんですよ。
ここ、もう少し説明しますね。
特許法に対立する法律って何か分かりますか?
それは、独禁法です。
独占禁止法です。
資本主義の根幹を成すのは何でしょう?
それは、自由競争です。
だから、自由競争を阻害して、市場を独占しようとすると、独禁法違反って言われて、罰則を受けたり、ひどい場合には、会社を分割されたりするわけです。
それぐらい、独禁法っていうのは強い法律なんです。
それに対して、特許法って、ある会社だけ、独占的に、その商品を売るのを許可するって法律です。
他の人が、真似したら罰せられます。
これって、独禁法の反対ですよね。
資本主義の根幹に反することを許してるわけです。
じゃぁ、その代わりに差し出すのは、何なんでしょう。
それは、技術の公開です。
独禁法も、特許法も、どちらも目指すものは同じです。
それは、技術の発展です。
もし、特許制度がなかっとしたらどうなるでしょう?
苦労してスゴイ発明したとします。
でも、それを見て、真似されたとします。
そうなったら、最初に発明した人は、苦労した分、損しますよね。
自分で発明するより、誰かの発明を真似た方が楽ですしね。
これじゃぁ、技術は発展しません。
そこで、最初に発明した人に、その報奨として、その技術を、一定期間だけ独占的に実施できる権利を与えるわけです。
その代わりに、その技術を、皆に公開しなさいってわけです。
そしたら、その特許を見た人は、それをさらに改良して、より良い技術を開発します。
そうやって、技術が発展するわけです。
特許で独占できる一定期間は、出願から20年です。
この20年ってのも、注意しておく必要があります。
特許って、通常、アイデア段階で出願して、その後、製品化します。
これが、あまりにも基本的なアイデアで、実現するのに20年以上かかるようじゃ、特許を取っても意味がないんです。
昔、木星で核爆発を起こして、太陽にするって特許出願があったそうなんです。
これなんか、もし仮に実現できるとしても、とても20年でできるようなことじゃないので、特許を取ってもあまり意味がないんです。
だから、その特許に価値があるのか無いかって、何年で実現できそうかってとこも見ておかないとダメなんですよ。
じつは、今回取った特許も、ここは重要になってくるんです。
そのことについては、後で、じっくり説明しますね。
さて、特許法に似たものに著作権があります。
どちらも、真似したらダメだって法律です。
じゃぁ、何が違うんでしょう?
まず、一番の違いは、著作権には審査がないんです。
作品を作った時点で、自動的に発生する権利です。
それに対して、特許は書類を書いて特許庁に出願しないといけません。
その後、さらに、お金を払って審査してもらいます。
そうして、審査に通って、ようやく、特許権が与えられます。
特許権を維持するには、毎年、お金も納めないといけません。
著作権なら、何もしなくても、自動的に守られるのに、どうして、こんなに手間とお金をかけて特許を取る必要があるんでしょう?
それは、著作権と特許権じゃぁ、強さが全然違うんです。
強さって言うのは、どれだけの物を守れるかってことです。
著作権で守れるのは、一言で言えば、丸コピーしたものはダメってだけです。
ピカソの絵をコピーして売ったらダメってことです。
でも、ピカソ風の絵を自分で描いたならOKってことです。
著作権で守られるのは点です。
特許権で守られるのは、点でなくて、面です。
権利に幅があるわけです。
たとえば、「鉛筆の後ろに消しゴムを付けた」って特許を取ったとします。
それを真似して、消しゴムの色や形を変えたとしても、アウトです。
でも、鉛筆の後ろじゃなくて、横ならOKなんです。
なんせ、権利範囲は「鉛筆の後ろに消しゴムを付けた」なんで、そこからちょっとでも外れたらOKなんです。
その権利範囲を明確に書いてあるのが、「特許請求の範囲」です。
この「特許請求の範囲」の書き方で、その特許が、どれだけ強い特許なのか、弱い特許なのかが決まるわけです。
強い特許っていうのは、それに似たものは他社はどこも作れなくて、市場を独占できるってことです。
弱い特許っていうのは、ちょっと変更するだけで、真似したものをいくらでも作れるってことです。
そんな弱い特許を取っても、あんまり、意味ないわけです。
iPhoneのライトニングケーブルってありますよね。
これです。
USBと違って、裏表がなくて、便利なんですよ。
アップル製なら2000円以上します。
アップル以外でも、1000円はします。
でも、それが100均に売ってるんですよ。
じつは、100均に売ってるライトニングケーブルは、裏表があるんです。
何でか分かりますか?
特許を回避するためなんです。
ライトニングケーブルの特許請求の範囲には、裏表がないって書いてあるんです。
だから、裏表があれば、その特許から外れるわけです。
つまり、特許料を払わずに作れるので安く作れるわけです。
100円と1000円のケーブルの差額が、特許料というわけです。
特許って、こういうことなんです。
「特許請求の範囲」の書き方が、どれだけ重要か、わかりますよね。
さて、特許には、審査があるって言いましたよね。
その発明より前に、誰かが同じアイデアを出してないかを審査するわけです。
既に特許出願されてたり、本や雑誌に書いてあったら拒絶されます。
そうやって、今までにないアイデアだけが特許になるわけです。
でも、じつは、これは、表向きの理由です。
特許審査の本当の目的は、なるべく強い特許を取らせないことです。
あまりにも強い特許を取らすと、市場を独占してしまいます。
そこで、特許庁は、必死で、似たものを探して、引用文献として挙げて、ほら、ここに既に書いてあるからダメだって拒絶するんです。
拒絶されても、補正するチャンスはあります。
補正っていうのは、引用文献に書いてないことを追加して、引用文献とは違うって主張することです。
これって、実質、権利範囲を狭めることになるんです。
そうやって、あまり強くない特許になれば、許可されるわけです。
これが特許制度の本当の意味なんです。
特許を取らせれば独占できるので、何とか、強い特許を取らせないようにするってことです。
最後に、今回の特許特有の重要な点について説明しときます。
さっき、特許と著作権の違いとして権利範囲が全然違うって話をしましたけど、じつは、もう一点、大きな違いがあるんです。
それは、著作権の場合、知らなければ許されるってのがあるんです。
もし仮に、ピカソのことを全く知らなくて、たまたま描いた絵がピカソそっくりだったら、それは、著作権侵害にならないんですよ。
一方、特許は、知らないじゃ許されないんです。
つまり、本当に知らなかったとしても、ライトニングケーブルそっくりのケーブルを売ったら特許侵害となります。
当たり前と言えば当たり前の話なんですけど、AIの場合、ちょっと、意味が違ってくるんですよ。
AIと言えば、今は機械学習、ディープラーニングですよね。
機械学習は、ニューラルネットワークを使って自動で学習しますよね。
ネコの画像認識なら、こんな形の耳と、鼻と口があれば猫だって、大量のデータから自動で学習します。
つまり、ネコを見極める機能を自動で学習したわけです。
さて、今回の僕の特許は、機械学習じゃありません。
心の機能の一部で特許を取ったわけです。
これがですよ、もし、ディープラーニングが自動で学習して、僕の特許と同じ機能を獲得したらどうなると思います?
これ、僕の特許を侵害したことになるんですよ。
知らなくても、同じ機能を作り出したら、特許侵害になるんですよ。
AIの特許の場合、こういった問題が出てくるんですよ。
それからもう一点。
今言った通り、今回の特許は機械学習やディープラーニングじゃないです。
でも、今のAI業界は、機械学習、ディープラーニング一辺倒です。
僕が一番苦労したのは、ここなんです。
他に、誰もやってないことをやってるんで、参考になる文献が、一切みつからないんですよ。
さっきも言いましたけど、特許庁は、出来るだけ強い特許を取らせたくないわけです。
さから、特許審査では、よく似た先行技術を必死で探して、なんとかして、権利範囲を狭めようとするんです。
今回の特許の目的は、これもあったんです。
つまり、僕以外で同ようなことを考えてる人はいないかってことを確かめたかったったんです。
最初に言いましたけど、僕は、特許事務所に勤めてたので、特許の実情は、よくわかってます。
実情ってのは、たとえば、審査請求しても、99%は、一回は拒絶されるとかってことです。
拒絶されずに一発で特許になるってことは、それは、素晴らしい発明ってことじゃないんですよ。
それは、あまりにも権利範囲が狭すぎて、特許にしたところで、誰も困らないから、すぐに許可されたわけです。
逆に言えば、もっと広い権利範囲で特許とれる可能性があったといえるんです。
だから、出願時には、普通は、わざと、広い権利範囲を書くわけです。
そうやって、わざと引用文献を出させて、出された引用文献だけを回避するように補正するんです。
これが、一般的なやり方です。
そんなことは、僕も、十分わかっているので、最初の出願では、広めの権利範囲で出しました。
さて、その結果、どうなったでしょう?
なんと、一件も引用文献が挙げられなかったんです。
これって何を意味するかわかりますか?
これは、今回の特許は、本当に、今まで、だれもやってこなかったってことを証明してるんです。
ただし、引用文献は上げられなかったですけど、それ以外の細かい、言葉の表現上の理由で拒絶されました。
それは、表現を書き換えて、そこを解消したら特許されました。
さて、これって、どう解釈したらいいでしょう?
一般的には、かなり権利範囲が広い、強い特許を取れたと言えます。
いわゆる基本特許です。
ただし、それは、この特許が、今後、実用化されたらの話です。
このまま、AIが機械学習、ディープラーニングで全て解決していくなら、僕の特許はあまり役に立たないとも言えます。
そうでなくて、今回の特許が、今のAIの問題を解決して、新しいAIの流れになるなら、本当に基本特許と成り得るかもしれません。
こっから先は、実際に、どんな特許請求の範囲で権利を取ったかを見ないと判断できませんよね。
その中身については、次回、お伝えしようと思いますので、楽しみに待っていてください。
はい、今回の話が面白ければ、チャンネル登録、高評価をお願いしますね。
それから、このチャンネルが本になりました。説明欄にリンクを張っているので、よかったら読んでください。
それでは、次回もお楽しみに!