第174回 GPT-3検証したあご外れた


ロボマインド・プロジェクト、第174弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。

今、AIで一番ホットな話題と言えば、GPT-3ですよね。
言葉を自動で生成できるAIです。
何がすごいかって言うと、もう、人間が書いたのと見分けがつかないそうです。
その、話題のGPT-3を、ついに手に入れたんですよ。
試したところ、既に日本語対応になってました。
今回は、このGPT-3の実力を、たっぷり試そうと思います。

その前に、GPT-3について、簡単に紹介しときますね。
開発したのは、イーロンマスクを中心として設立された団体、OPEN-AIです。
目指すのは汎用人工知能、AGIです。

汎用人工知能ってのは、人間のように、何にでも対応できる人工知能のことです。
画像認識だけできるとか、将棋だけできるとかって、特定のタスクしかできないのを特化型人工知能っていいます。
今のAIは、全て特化型人工知能なんです。
人間のように何でもできる汎用人工知能を作るには、人間と同じような知能や心を作らないといけないって言われてます。
イーロンマスクは、汎用人工知能が生まれたら、必ず、人類の脅威になると考えました。
汎用人工知能を手にした者は、必ず、世界の覇権を握るとも言われています。
そこで、汎用人工知能が完成しても、一社が独占的に使わないように、OPEN-AIは非営利団体で運営されてます。
そして、OPEN-AIの第一の理念は、「全ての人類に価値を提供する」となってます。

このOPEN AIが最初に注目されたのは、GPT-2です。
今回紹介するGPT-3の前のバージョンです。

2019年、こんな記事が出てきました。

「AIによる自動文章作成ツールがあまりにも高精度のテキストを簡単に作り出してしまうため開発陣から『危険過ぎる』と問題視される」

イーロンマスクが危惧してたことが、いよいよ、現実になってきたわけです。
その後、GPT-2は、悪用されないように、慎重に見極めながら段階的に公開されました。

そして、このGPT-2がさらに強力になって帰ってきたのがGPT-3です。
そして、GPT-3が一部で公開され始めると、それを使ったいろんな事件が起こりました。

たとえば、こんなのです。
「『GPT-3』ボットが人気掲示板に大量書き込み、1週間見破られず」
とか

それから、GPT-3が書いたブログが有名ニュースサイト、「ハッカー・ニュース」で一位になったとか。
そのブログの閲覧者は2週間に2万6千人もいたけど、AIで自動生成されてるって見抜いたのは、たった一人だったそうです。

ついに、本物の汎用人工知能が生まれたようです。
ここにきて、イーロンマスクが一番恐れていたことが起こりました。
それは、マイクロソフトがOPEN-AIに10億ドルを出資する見返りに、OPEN-AIから利益を受け取るって契約を結んだことです。
汎用人工知能は一社で独占してはならないってイーロンマスクの考えに反することが起こったのです。
怒ったイーロンマスクは、OPEN-AIの幹部職をすぐに辞任したそうです。

いやぁ、GPT-3の実力、ぜひ、見てみたいですよね。
GPT-3が生み出した文章、皆さん、見抜く自信はありますか?
気になりますよね、。
それじゃぁ、さっそく試してみましょう!

さて、どうでしたか?
これが世界を震撼させたGPT-3の真の実力です。
楽しんでいただけたでしょうか?
こう言うのが好きな人には、第146回「篤志田方のすべらないAI」を、ぜひ、見てください。
メニューメーカーって、料理名を自動で生成するAIです。
笑いに特化したAIなんで、GPT-3より、もっと、ウケると思いますよ。
いやぁ、やっぱり、GPT-3のボケには、かなわへんよなぁ。

まっ、それは置いといて、最後に、マジメにGPT-3について考えてみたいと思います。
こう言う新しい技術、良く、引き合いに出されるのがライト兄弟です。
そこで、GPT-3とライト兄弟の飛行機とを比べてみましょう。
ライト兄弟のライトフライヤーは、1903年、世界初の有人動力飛行に成功しました。
その飛行距離は、わずか260mです。
そんなんじゃ、何の役に立たないですけど、その後、航空機は飛躍的な進歩を遂げました。
さて、同じように、今は、ほとんど役に立たないかもしれないGPT-3。
この後、飛躍的な進歩を遂げるんでしょうか?

おそらくね、基本さえ、間違ってなければ、発展していくと思います。
飛行機で言えば、つばさの形とかです。
揚力を発生するつばさの形が正しければ、あとは、エンジンさえ軽くできれば、必ず、もっと飛べるようになるはずです。
この段階まで来れば、資金を出して、各国が競い合えば、次々に発展していきます。

それでは、GPT-3はどうでしょう?
GPT-3はディープラーニングで大量の文書を学習してます。
この単語の次にこの単語が来る確率は何%とかってことを学習したわけです。
GPT-3の最大の特徴は、パラメータの数が1750億個もあることです。
そこまですることで、普通に読める文章を生成することができたんです。
でも、意味を理解してるわけじゃないので、中身のない文章しか作れません。

さて、これって、基本は正しいって言えるんでしょうか?
パラメータを、もっと、何兆個とかに増やせば、解決するんでしょうか?
しないですよね。
だって、文の意味を理解できてないのに、意味のある文を自動生成するなんで、できるわけないです。
残念ながら、これがGPT-3の現状です。
とても、汎用人工知能と呼べるようなものじゃないです。

人間と普通に会話したり、意味のある文章を生成するには、言葉や文の意味をちゃんと理解させないといけないんです。
それが、一番の基本です。
飛行機で言えば、つばさの形状です。

その基本が出来てない限り、いくら、パラメータを増やしても、意味のある文章を生成できるようにはならないんです。
それじゃぁ、言葉や文の意味を理解することってできるんでしょうか?
今のAIだと、それはできないと言われています。
そのできないことをやってるのが、ロボマインド・プロジェクトってわけです。

今回の動画が面白いと思ったら、チャンネル登録、高評価お願いしますね。
それから、このチャンネルが本になりました。
説明欄にリンクをはってますので、良かったら読んでください。
それでは、次回も、お楽しみに!