ロボマインド・プロジェクト、第185弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。
太古の昔から、生物は進化し続けてきました。
海の中で発生した微生物は、やがて魚となって、陸に上がって両生類、爬虫類、哺乳類へと進化していきました。
キリンは、高い木の葉っぱを食べれるように、長い首を手に入れました。
鳥は、空を飛べるように翼を手に入れました。
じゃぁ、サルからヒトへの進化は、どうでしょう?
背筋が伸びて、二足歩行になりました。
これだけ見ると、たいした変化はしてないように思います。
でも、サルとヒトとじゃ、全然違う暮らしをしてますよね。
じゃぁ、どこが一番進化したんでしょう?
それは、脳です。
その中でも、大脳が大きく発達しました。
でも、本当に重要なのはそこじゃありません。
重要なのは、脳の大きさじゃないんです。
一番重要なのは、脳から見た世界です。
見てる世界そのものは、おんなじなんです。
でも、捉え方が変化したんです。
ここ、本当に重要なところなんですけど、目に見えないとこなんで、一番、分かりにくいんですよ。
だから、生物の教科書には、こんなこと、一切書いてないですよ。
書いてあるのは、二足歩行するようになって、大きな脳を支えることができるようになったとか。
背筋が伸びて、喉の構造が変わったから、言葉を使えるようになったとかです。
でも、重要なのは、そこじゃないんです。
だって、喉を使わなくても、手話で会話できるでしょ。
重要なのは、肉体の変化じゃないんです。
重要なのは、どんな風に世界を認識するように変わったかですよ。
これが、今回のテーマです。
意識はいったい、何を見るようになったのか。
それでは、始めましょう!
前回、第184回「ついに目覚めた 意識プログラム」で、犬の意識まで解説しました。
カエルは、鳥の影に気づくと、すぐに逃げます。
こういった行動は、生まれる前から決まっていて、生まれた後に変更できません。
犬は、しつけたら、目の前にご飯があっても、マテといわれたら待てるようになります。
ヨシと言われてから食べるようになります。
つまり、生まれた後から、環境に対する行動を変更できるようになりました。
これが、犬の意識プログラムです。
行動を変更するって、簡単なようで、じつは、結構、複雑なんです。
それを実現する仕組みが意識の仮想世界仮説です。
意識の仮想世界仮説って言うのは、目で見た世界を、頭の中に3Dの仮想世界として構築して、意識は、その仮想世界を認識するといった心のモデルです。
詳しくは、この本に書いてあります。
説明欄にリンクを張ってますので、良かったら読んでください。
さて、行動を決定するのは意識です。
そして、どう行動するか、行動の方向性を示すのが感情や感覚です。
怖いって感情なら、逃げたいって行動を促します。
お腹がすいたって感覚なら、ご飯を食べたいって行動を促します。
そして、最終的に、行動を決定するのが意識です。
意識は、感情に従って行動することも、感情を抑えて行動することもできます。
だから、犬は目の前にご飯があって、食べたいって思ってすぐにためることも、その感情を抑えて我慢することもできるんです。
今まで、環境に応じた決まりきった行動しかとれなかったのが、行動を変更できるようになったんです。
犬の話を、もう少し進めますよ。
以前、テレビで、頭のいい犬と悪い犬の見極め方ってやってたんですよ。
小川があって、向こう岸にお肉があったとします。
川のこっち側に犬がいて、向こう岸のお肉を見つけたら、欲しい欲しいって、ワンワン吠えるわけです。
でも、よく見ると、ちょっと先に、橋が架かってるんです。
その番組では、その橋を渡って向こう岸の肉を取りに行ける犬が賢い犬で、
いつまでもワンワン吠え続ける犬が賢くない犬ってことでした。
僕ら、人間からしたら、橋を渡るのを思いつかないって、それがよくわからないですよね。
だって、橋があるって見えてるんですよ。
つまり、見えるか見えないかは、それほど重要じゃないんです。
本質は、もっと奥にあるんです。
橋を見ても、橋を渡るって思いつけないって、どういうことなんでしょう。
この話、僕は、昔の3Dゲームを思い出すんですよ。
3Dゲームが出始めたころ、最初、スゴイって感動したんですよ。
それまでのゲームは、スーパーマリオみたいな二次元だったんです。
動けるのは、2次元平面だけです。
それが、3Dゲームになると、戦闘機とかに乗って、上下左右、前後って、3次元を自由に飛べるんですよ。
画面が横にスクロールするだけの、2次元ゲームとは、全然、違います。
でも、しばらく遊んでると、分かってきたんですよ。
3次元だけど、3次元を自由に行けるわけじゃないって。
基本的に、前に進むしかできないんですよ。
ブレーキとアクセルで、進む速度は調整できます。
それから、敵の弾を避けるために、上下左右に少しは移動できます。
でも、右旋回して、右の方にず~と飛ぶとかできないんですよ。
前にしか進めないんですよ。
たぶんねぇ、向こう岸に向かって吠えることしかできない犬の感覚って、これに近いんじゃないかなって思うんです。
広い空間が見えるわけですよ。
どこを走ってもいいんですよ。
でも、実際には、目の前の肉に近づくことしか考えれないんですよ。
さっきいいましたよね。
行動を促すのは感情だって。
美味しい肉を見ると、食べたいって感情が湧きます。
肉に近づきたいって行動を促します。
それ以外の行動は、思いつかないんです。
カエルは、世界の認識と行動とが繋がってました。
だから、行動を変えることができないんです。
哺乳類は、世界の認識と、行動とを分離したわけです。
その代わり、世界の認識と、行動を繋げる感情というものもつくり出しました。
この感情が強すぎると、結局、一つの行動しかとれなくなるわけです。
感情を抑えることができたら、橋を渡って向こう岸に行くとかも、考えれるんだと思います。
肉に近づきたいって感情に逆らって、一旦、肉から遠ざかることで、結果として、肉を手に入れることができるんです。
感情で動いてる限り、自由にはなれません。
じゃぁ、橋を渡った犬は、どうやって、感情から自由になれたんでしょう。
どっかの時点で、
「あっ、そうや、橋を渡ったらええやん!」
って思ったんですよね。
たぶんねぇ、何も考えず、ワンワン吠えてた時、ふと、思ったんやと思います。
「ちょっと待てよ。ここで吠え続けても意味ないぞ」とか。
「他に、方法あるんちゃうかな」とか。
ここ、もうちょっと考えてみますよ。
ワンワン吠え続けるって、感情に従って、自動で行動してたわけです。
それを、「ちょっと待てよ」って思ったのは、行ってみれば、我に返ったわけです。
意識的に考えたわけです。
自我を取り戻したといったらいいかもしれません。
これ、僕も、近い経験があります。
子どものときです。
まだ、幼稚園の頃です。
僕は、2人兄弟の弟で、家では、すぐ泣いてました。
兄弟げんかしたり、親から怒られたりして。
で、ある時、いつものように泣いてたんですよ。
廊下でエーン、エーンって泣いてたんです。
そのとき、気づいたんですよ。
何に気づいたかって言うと、自分が泣いてるってことにです。
泣いてることに気づいたら、今度は困ったんです。
何が困ったかって言うと、いつ、泣き止んだらいいのか、分からなかったんです。
えーと、いっつも、どうしてたかなぁって、エーン、エーンって嘘泣きしながら、思い出そうとしてたんですよ。
そうなんですよ。
覚えてないんですよ。
ここ、わかります?
泣くって、まさに、感情によって引き起こされた行動ですよね。
その時の僕は、100%感情によって引き起こされて泣いてたんです。
つまり、無意識で泣くってスイッチが入ってたんです。
これ、カエルとおんなじで、環境に自動で反応してたわけです。
で、そのスイッチが入ったら、その後のことは覚えてないんですよ。
それが、ふと、我に返ったわけです。
「あれ、今、泣いてるぞ」って。
たぶん、ここなんですよ。
意識の仕組みで一番重要なんは。
いいですか。
二つの状態があります。
一つは、感情に任せて、自動で動いてただけの状態です。
もう一つは、ふと、我に返った状態です。
たぶん、この二つの間には、ものすごい大きな溝があるんやと思うんです。
この溝を超えると、一気に、世界が変わるんです。
「ちょっと待てよ。俺、今、何してるんや」って。
意識の一番の意味は、ここにあるんですよ。
それから、どうも、ここには、記憶とかも、関係してくるみたいです。
ここ、めっちゃ重要なんで、次回、もう少し掘り下げて考えてみます。
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それでは、次回も、お楽しみに!