ロボマインド・プロジェクト、第204弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。
このチャンネルの動画も200本を超えてきました。
毎回、その時、僕が興味があることを語ってます。
だから、内容も、AIから、意識とか、言語、それから物語とか時間って、いろいろです。
そんな中で、一番の人気のコンテンツは何か分かります?
それは、世界は本当は存在しない系の話です。
たとえば、第96回「なぜ、誰も疑問に思わない? 世界はなぜ存在するのか?」とかです。
要は、物理的に存在する世界より、それを認識する頭の方が重要だって話です。
世界は外にあるんじゃなくて、頭の中にあるってことです。
人間は、みな、同じような脳を持っていて、同じように世界を認識してるから、人間同士ならコミュニケーションが取れるわけです。
全く交流がない文化でも、同じような世界観を持ってますしね。
その一つが、神です。
神って、誰も見たことないし、物理的に存在しないのに、どの民族も神を持ってますよね。
同じようなことは、言葉にも言えます。
人類なら、どの民族も、言葉を持ってます。
人は、言葉を使って考えますよね。
逆に言えば、人間は、言葉で表現できることしか考えることはできません。
言葉で考えれないことは、存在しないも同じなんです。
考えることの限界は、言葉が決めてるわけです。
さて、ここで宇宙人について考えてみましょう。
宇宙人が、人間と同じ脳、同じ心をもってるなんて考えられないですよね。
だって、全然違う生物で、違う環境で進化してきたんですから。
じゃぁ、宇宙人はどんな思考をしてるんでしょう。
そんなこと、想像もつかないです。
そこで、まずは、人間の思考の限界を探ることにします。
それは、言語の構造を探れば見えてきます。
これが今回のテーマです。
言語と思考の限界と宇宙人。
それでは、始めましょう!
まず、言葉がない世界を考えてみましょう。
言葉がないってことは、目で見たり、手で触ったりといった感覚だけの世界です。
ただ、そこにあるだけの世界です。
たぶん、人間以外の動物は、そんな世界に生きていると思います。
目の前にリンゴがあったら、リンゴを認識します。
でも、目の前になにもないと、リンゴを想像できないんです。
「リンゴがない」ってことを、考えることもできないんです。
言葉で「りんごがない」って表現できるってことは、りんごがないことを認識できるってことですよね。
目で見た世界しか認識できない心だと、「ない」ってことを認識できないんです。
言葉を生み出した原因はここにあるんです。
いいですか。
「りんごがない」と聞いて、あぁ、りんごがないんだなぁって思いますよね。
それが思えるってことは、それが思える心の構造を持ってるってことなんですよ。
この構造がないと、「りんごがない」の意味が理解できないんですよ。
頭の中に、その構造を持ってて、それに当てはめること。
これが、意味を理解するってことです。
目で見た世界だけを認識する動物には、思考の限界があるってわかりますよね。
この限界を超えた思考を手に入れたから、イメージを超えた表現が必要になるんです。
それが言語です。
見たまま以上のことを考えることができるから、言語を生み出さざるを得なかったわけです。
目に見える世界しか認識しないなら、言語なんか必要ないんです。
それが、動物の世界です。
目の前の食べ物を奪い合ったり、敵から逃げたりだけの世界です。
これって、目に見えてるものが全てじゃないですか。
前回、第203回「言語より先に生まれたプログラム」で所有権って概念の話をしました。
ライオンが肉を食べてて、ライオンがちょっと離れたすきにハイエナがその肉を取ろうとしたら、ライオンにガオって怒られたりするとか。
こんなことが繰り広げられるのは、動物の世界には、これは誰の物って考えがないからです。
誰の物って目に見えませんよね。
目に見えない所有権って概念を認識する仕組みを持ってないわけです。
これが、動物の世界の限界なんです。
こんな風に、認識してる世界には、何らかの限界があるわけです。
動物の場合は、目に見えるものが限界です。
逆に言えば、人が認識してる世界は、目に見えるもの+αの世界なんです。
この+αを表現するのが言語ってわけです。
それじゃぁ、もう少し、言語の世界を探っていきましょう。
文って、主語と述語からなりますよね。
「ライオンが肉を食べる」って文なら、主語はライオンです。
これは名詞です。
述語は食べるです。
これは動詞です。
「ライオンが肉を食べる」
これは、見たままです。
言語がなくても、映像で表現できるものです。
さて、これを少しいじっていきます。
「ライオンが肉を食べた」
こうなると、過去の出来事になりますよね。
動詞が過去形になりました。
今、目の前の出来事以外を表現したことになりますよね。
これが理解できるってことは、それを理解できる心の構造となってるわけです。
ここで、人の心の仕組みをおさらいしておきます。
人は、目に見える世界を頭の中で仮想世界として構築します。
意識は、この仮想世界を介して現実世界を認識します。
このことを意識の仮想世界仮説って呼んでます。
詳しくは、この本に書いてます。
説明欄にリンクを張ってますので、良かったら読んでください。
さて、人は、目の前の今の現実以外にに、過去を思い出したり、未来を想像することもありますよね。
このときに使う仮想世界を、想像仮想世界と呼ぶことにします。
つまり、想像仮想世界って構造があるから、過去の出来事を認識できるわけです。
ここで注意して欲しいのは、構造が先ってことです。
過去を想像できるって構造があるわけです。
それは、目の前の今じゃなくて、過去の出来事やって、意識は感じるわけです。
その違いを、なんとか表現しようと思ったわけです。
どう表現しよう。
ライオンは過去も今もおんなじやし。
じゃぁ、肉が無いって言えばいいかなぁ。
それじゃぁ、過去ってことが伝わらないなぁ。
そうや、食べるを変化させよう。
たぶん、こうなったんやと思います。
それで、過去の出来事を表現するときは、動詞を変形させようってルールが生まれたんです。
これが過去形です。
合理的な考えですよね。
心の構造が同じなら、たぶん、同じような結論に至ると思います。
だから、日本語にも英語にも、動詞の過去形ってのがあるわけです。
ただ、全ての言語が、動詞の時制を持ってるわけじゃないようです。
過去を示すマークを付けるとか、いろんな表現の仕方があるようです。
重要なのは、人間は、今、目の前の出来事と、過去の出来事を頭の中で区別する構造になってるってことです。
だから、どの言語でも、何らかの方法で、現在か過去かの違いを区別するわけです。
そういうことを研究するのが、比較言語学です。
まぁ、僕は、そういう細かい話は興味ないんですけどね。
僕が知りたいのは、そのもっと奥にある根本的な原理の部分です。
なんで、過去って思えるのかって、そもそものところです。
それを解明するには、言語の比較じゃなくて、心の構造の比較をしないといけないんです。
つまり、動物が認識してる世界と、人が認識してる世界とかです。
それが分かってくると、今、認識してる世界って、当たり前に思ってたけど、当たり前じゃないって分かってくるんです。
言えることは、今、目に見えるものを認識するってことだけです。
それ以外で認識してるのは、すべて頭が作り上げたものです。
今度は、全然違う見方をしてみますよ。
最も進化した生物は人間ですよね。
だから、この地球で人類が生物の頂点として君臨してるわけです。
じゃぁ、なぜ、それができたんでしょう。
環境の変化に適応して生き残って来たからです。
雨が降らなかったりとか、氷河期とか。
そんななか生き延びてこれたのは、たぶん、過去の経験を生かしたり、工夫したりしてきたわけですよね。
それができるのは、言葉を発明したからです。
過去の出来事を考えたり、未来を想像したりする仕組みがあるから言葉を発明したわけです。
さて、ここで、突拍子もないこと考えてみますよ。
さっき、僕は、言語の比較には興味ないって言いましたよね。
些細な違いを比べても、根本原理を理解できないからです。
それで、動物と人間の心の違いを比べると、心の根本原理が見えてきたわけです。
突拍子もないことっていうのは、じゃぁ、もっと根本的に違うものを比べたらどうかなって思ったんですよ。
この物理世界とは全然違う世界とか。
たとえば、パラレルワールドがある世界とかです。
パラレルワールドってのは、この世界と全く同じ世界が別の次元にあるって考えです。
そんな世界が、何千、何万ってあるとします。
ほんで、僕らは、突然、別のパラレルワールドに移動するんです。
それが、いつ起こるか分かりません。
そんな世界で生きるとしたら、どうなると思います?
今、目の前の人が、気付かないうちに、別のパラレルワールドの人と入れ替わるわけです。
「昨日の焼肉、おいしかったよなぁ」ってしゃべってても、
「あっ、それは僕じゃないわ」とかって言われるわけです。
もう、混乱してどうしていいか分からないでしょ。
これ、人間の心の構造じゃ、適応できないんですよ。
でも、もし、今、目の前の現実しか認識できないとしたらどうです?
それなら、何も変わらないですよね。
だって、目の前の人が、昨日、一緒に焼肉を食べたかどうか、そもそも認識できてないんですから。
たぶん、人間以外の生物は、何も困らないんですよ。
対応できないのは、人類だけです。
たぶん、あっという間に、人類は絶滅してしまうと思います。
じゃぁ、逆に、そんな世界に対応するとすれば、どんな心の構造になってるでしょう。
人が、過去とか、未来を区別して認識するみたいに、パラレルワールドの違いも認識するんです。
目の前で話してる人が、どのパラレルワールドから来た人か認識できるわけです。
そんな心の構造をもった宇宙人が地球に来たとしましょ。
たぶん、人類とまともにコミュニケーション取れないですよね。
「君は、どのパラレルワールドからきたのか」とか、
「L-537の君は、そんなこと言ってなかったぞ」とか言われて、会話が成立しないわけです。
心の構造が違うと、コミュニケーションが取れないってこういうことです。
たとえば、もし、動物と言葉を交わせるとしたとするでしょ。
でも、野良猫に、「昨日、あの塀の上を歩いとったやろ」って言っても通じないはずなんです。
動物は、昨日の出来事を再現する仕組みを持ってないからです。
それと一緒です。
人間は、パラレルワールドの自分が何してたって管理する仕組みを持ってないんです。
だから、パラレルワールドを行き来する宇宙人とはコミュニケーションが取れないんです。
今回の話、たぶん、何の役にも立たないと思いますけどね。
何の役にも立たんけど、チャンネル登録、高評価だけはお願いします。
それでは、次回も、おっ楽しみに!