この仕組みのお陰で、言葉が生まれました。
神や悪魔を創り出して、宗教も生まれました。
科学も発展しました。
そして、今、あなたが見ている、そのスマホやPCを生み出したんです。
こんにちは、ロボマインドの田方です。
前回は、僕の提唱する「意識の仮想世界仮説」について説明しました。
意識が見る世界は、無意識が作った仮想世界だって説です。
仮想世界だから、VR、つまりヴァーチャルリアリティで再現できるって話でした。
そこで、VRゴーグルをつけて、目の前の世界をリアルタイムで3Dオブジェクトに変換しましたよね。
今回は、ここからです。
ここから何をしようかと言うと、人間の意識を人工意識に置き換えていきます。
今付けてるVRシステムを、意識を持ったロボットに搭載していきます。
最終的に、そのロボットが、自然に会話できたり、人間社会に溶け込んで生活できれば成功です。
まさに、チューリングテストに合格するAIです。
第4回の動画で出てきた、映画、ブレードランナーのレプリカントと同じです。
そんな人工意識には、どんな機能が必要か、少しずつ考えていきましょう。
カメラからのデータを基に、3次元の仮想世界を作りました。
つまり、「見る」っていう経験は、単に光を受けるだけじゃなくて、世界を作っているわけです。
単に見るだけの場合、外の世界からデータを受け取るだけの受け身となります。
自分が世界を作り出す場合、自分が作ってるんですから、その世界に様々な情報を追加できます。
仮想世界の目的は、外の世界とそっくり同じものを作ることです。
目で見て作るので、目で見える部分に関しては全く同じはずです。
でも、世界は目で見たものだけじゃ、ありません。
目で見えないものって、どんなものでしょう?
たとえば、ここにマジックペンがあります。
これを、手を離すと、どうなるでしょう?
(手を離す)
予想どおり、下に落ちましたよね。
予想できたってことは、落ちる動きを、頭の中で想像できたってことですよね。
3Dオブジェクトのマジックペンを生成しただけじゃ落ちる動きは再現できません。
落ちる動きを再現するには、3次元空間に重力を持たせる必要があります。
そうすれば、マジックペンがら手を離せば、落ちることが予想できるわけです。
たとえば、(手を離す)
こんな風に、ボールペンが落ちると、あれっ?って思いますよね。
あれっ?って思うのは、ボールペンの動きが、予想と違ったからです。
これが、頭の中の仮想世界に、重力が存在するって証拠です。
目に見えない重力でも、自分が作る仮想世界なら追加できるわけです。
次は、このソファを叩いてみます。
(パンパン)
こんな音がしますよね。
でも、
(カンカン)
こんな音がすれば、あれっ?て思いますよね。
あれっ?って思うってことは、予想と違ったてことです。
予想してたってことは、そのデータを持ってたってことです。
つまり、仮想世界は、素材や、それを叩いたときの音のデータまで持っているということです。
ある物を目で見て認識したときには、そこには目で見える3Dオブジェクトだけじゃなくて、重さや、素材、肌触りなど、あらゆるデータが含まれるわけです。
過去の経験から獲得したデータがデータベースに格納されていて、それが瞬時にオブジェクトに付け加えられているいるんです。
見るって行為は、それだけのことをバックグラウンドでしてるんですよね。
目で見て認識したときには、現実世界と0.5秒も遅れてるって話、前回しましたよね。
これだけの処理をリアルタイムでしてるんですから、そりゃ、0.5秒ぐらい、遅れます。
つまり、意識が「見る」っていう行為は、単に受け身で世界を観察してるんじゃなくて、どんな素材で、どのくらいの重さで、つぎにどんな動きをするのか、そこまで含めて生成した物を見ているわけなんです。
こんな風に、世界を正確に認識できるように、生物は進化してきたんです。
おそらく、チンパンジーとかは、こういう風に認識してると思います。
ここ、本当にそう言い切れるか、かなり難しいんです。
人間がどうやって物を認識してるのか、正直なところ、まだ、全然わかってないんです。
今まで話した内容も、科学的に証明されてるわけじゃないです。
なぜ難しいかというと、それは、第一回「決着! 谷村ノート 物理学 vs 哲学」で詳しく説明しましたけど、脳内の処理ってソフトウェアなんです。
電子顕微鏡とかで観察して分かる話じゃないんです。
だから、意識って、今まで科学の対象にすらならなかったんです。
その点、僕は、科学者でなくてユーチューバーなんで、恐らくそうじゃないかってことぐらいで話しています。
その一つが、今、説明してる意識の仮想世界仮説です。
意識が認識してるのは、無意識が創り出した仮想世界だって説です。
人間だけでなく、おそらく、猿もこのように認識してるんじゃないかなとは思っています。
考えてみたら、生物の進化って、すごいですよね。
今、陸上にいる動物って、魚から進化したらしいんですよ。
魚が地上に上がって、魚のひれが手や足に進化したらしいんです。
さらに、それが翼に進化して鳥になったんです。
生物って、とんでもないことをするんですよね。
なぜ、こんな風に進化したかが分かるのは、化石が残ってるからです。
化石を年代順に並べたら、どんなふうに進化してきたかわかるわけです。
でも、僕らが今、追及しているのは意識の進化です。
生物の外形が、こんだけ進化してきたんだから、内面も大きく進化してないとおかしいですよね。
内面って、どんな風に世界を認識してきたかってことです。
何億年も同じように認識してたって、あり得ないですよね。
でも、どんなふうに認識してたかって、化石じゃわからないんですよ。
認識してるのは、脳で動いててるソフトウェアなんです。
認識の進化って、ソフトウェアのバージョンアップの歴史です。
どのように、認識の仕方が進化してきたのかなんて、頭蓋骨の化石を見ただけでわかるわけないんです。
だから、想像するしかないんです。
そこで、僕の意識の仮想世界仮説です。
無意識が仮想世界を作って、意識がそれを認識するって仕組みです。
そこまでは、人間も猿も同じだと思います。
でも、猿と人間は、見た目は似てますが、全く違う生活をしていますよね。
人間だけ、他の動物と、全く違います。
なぜでしょう?
それは、ある時、脳のOSがバージョンアップしたからです。
今までの認識の仕方が変わることで、とんでもない進化が始まったんです。
それは、脳の中で何かが変わったことで起こりました。
人間の意識が、ある進化したことで起こりました。
それは、何でしょう?
それは、おそらく、こういうことです。
無意識が創り出す世界は、目の前の現実世界をそっくりそのまま再現した仮想世界です。
目に見えないとこまで、忠実に再現しました。
もし、現実世界からかけ離れた世界を作ってしまうと、現実世界に対応できなくなってしまいます。
それでは意味がありません。
でも、無意識は、世界を構築する能力はもっているわけです。
目の前の現実世界でなくても、自由に作り出すことはできるはずです。
ここで、OSのバージョンアップが起こりました。
一つは、仮想世界を作り出す機能を意識が手に入れたんです。
今まで、仮想世界を作っていたのは無意識でした。
というか、意識は、この世界が仮想世界だということすら気づいていませんでした。
その意識が、とうとう、仮想世界を作り出す機能を手に入れたんです。
二つ目のバージョンアップは、この意識が創り出す仮想世界と、無意識が創り出す仮想世界を分けたことです。
無意識が創り出す仮想世界は、現実世界です。
それとは別の場所に、意識が自由に仮想世界を作り出せる場所を用意したんです。
それは、現実世界に拘束されないので、意識は、自分が作った仮想世界を自由に操作することもできます。
さぁ、これで、すっかり準備ができました。
意識が自由に操作できる世界。
その仕組みができたことで、いろんなことができるようになりました。
自由な世界を操作できるってことは、あ~でもない、こ~でもないって考えることができるようになったってことです。
今までのように、現実の世界を認識するだけじゃぁ、考えたるってことが、できなかったんです。
思考できるようになったんです。
目の前の現実世界以外のことを想像するなんて、仕組み上、できなかったんです。
全ては、世界を自由に操作できる仕組みができて、可能となったんです。
ここから人類の快進撃が始まったわけです。
今、こうしてしゃべってる言葉、これもこの仕組みができたから生まれたんです。
他人に感謝したり、見栄を張ったり、そんな複雑な感情も生まれました。
心が進化したんです。
善悪や道徳も生まれて、複雑な人間社会ができてきました。
神や悪魔を創り出して、宗教も生まれました。
科学も発展しました。
そして、今、あなたが見ている、そのスマホやPCを生み出したわけです。
全ては、意識が自由に操作できる仮想世界を持つようになったことがきっかけです。
次回は、このことを、もう少し丁寧に解説していきましょう。
それでは、次回も、お楽しみに!