第240回 次世代意識と愛の進化


ロボマインド・プロジェクト、第240弾!
こんにちは、ロボマインの田方です。

今、目の前に世界は存在しますよね。
疑いようのない事実です。
でも、これはみんな、同じように感じてるんでしょうか?
もちろん、人間なら、同じように感じてると思いますよ。
目の前に机があるなぁとかって。
でも、人間以外の動物はどうでしょう?
たとえば、カエルも、机があるなぁって思ってるんでしょうか?

そうは思っていません。
そもそも、世界の認識の仕方が全然違うからです。
このことは、前回、第239回「神の最初のプログラム」で、世界をどう認識するかをプログラムの違いで説明しました。
世界を認識するプログラムが、進化の過程でバージョンアップしていったわけです。
バージョンアップの過程で、意識プログラムも生まれたわけです。
そうやって、人間は、今、意識を使って世界を認識するようになりました。

前回、神が最後に与えたプログラムについても語りました。
それが何かと言うと、それは、愛です。
人間は、愛のプログラムを持つことで、世界の見方、受け取り方がガラッと変わりました。
プログラムがバージョンアップするごとに、世界の認識の仕方もバージョンアップしてきたわけです。
さて、このバージョンアップは、これが最後なんでしょうか?
さらにバージョンアップすることはないんでしょうか?
もちろん、まだ、バージョンアップすると思います。
じゃぁ、次は、どうなるんでしょう?
おそらく、それは、最後に手に入れたプログラムがバージョンアップするんだと思います。
つまり、愛です。
このプログラム、まだ、新しいので、改善の余地がいっぱいあるんですよ。
これが、今回のテーマです。
次世代意識と愛の進化
それでは、始めましょう!

まずは、意識を持たない生物から考えてみます。
意識を持たない生物は、入力に反応して行動しているだけです。
カエルは、目の前にハエがいたら、捕まえて食べます。
天敵の鳥の影を感じたら、池に飛び込んで逃げます。
感覚器の入力に応じた行動が決まってるわけです。
入力に応じた行動のプログラムがあるわけです。
これって、どういうことか分かりますか?

カエルは、世界を認識してないんですよ。
世界があるとか、無いとか、そんな風に思ってないってことです。
というか、「世界がある」って形で理解できないってことです。
カエルの世界の理解の仕方は、「どう動く」かってことです。
でも、僕らは「世界がある」って感じてますよね。
「どう動く」と「世界がある」です。
これって、認識の仕方が根本的に違いますよね。

それじゃぁ、「世界がある」って、どういう事なんでしょう。
このことを、僕は仮想世界で説明しています。
人は、目で見た世界を頭の中で仮想世界として構築します。
意識は、仮想世界を介して現実世界を認識します。
これを意識の仮想世界仮説と言います。
詳しくは、この本に書いてますので、良かったら読んでください。

ここで、重要なことが二つ出てきました。
一つは、「世界がある」って思えるのは、頭の中に仮想世界があるからです。
もう一つは、世界があると思う自分がいるってことです。
世界がある、存在するって思う意識が現れたってことです。

いいですか。
意識が生まれたんですよ。
自分って意識は、世界を認識するために生まれたわけです。
これ、別の見方をすれば、世界と自分は対になってるんです。
世界を認識したってことは、自分を世界から分離したと言えるんです。

ここで、「ある」って言葉を定義します。
僕らは、何かがあるって感じますよね。
三次元空間に物体があるって感じます。
つまり、三次元空間と、そこに存在する物体って関係で世界を感じるわけです。
この形式で三次元世界を認識するわけです。
逆に言うと、三次元空間に物体を配置した仮想世界を構築できたとき、「ある」って意味を理解できたことになるわけです。

もう少し丁寧に考えて行きます。
物体は、三次元空間のどこにでも存在できるわけではありません。
たとえば、同じ位置に二つの物体が同時に存在することはできません。
三次元世界には、こう言ったルールがあるわけです。
だから、ルールに合わないことが起こると不思議に思うわけです。
たとえば、古い旅館に泊まって、夜中に壁から、す~っと女の人が出てきたらびっくりしますよね。
三次元世界の根本的なルールに反してるからです。
これが三次元世界です。
それから、注意して欲しいのは、三次元世界は僕らの頭の中にあるってことです。

いいですか。
現実世界が三次元世界じゃないんですよ。
僕らの頭の中に、三次元の仮想世界があって、現実の世界を、仮想世界に当てはめてるわけです。
意識は、この仮想世界を認識してるから、三次元世界にいると感じてるわけです。

だから、同じ現実世界で生きていても、どう現実世界を捉えるかで、全く違う世界を感じるわけです。
たとえばカエルです。
カエルは、頭の中に仮想世界など持っていません。
環境に反応して生きてるだけです。
だから、世界を認識してるわけじゃありません。
そもそも、世界を認識する意識もないわけです。

これを世界認識の第一世代と呼ぶことにしましょう。
第一世代は、意識がないので、自由意志もありません。
世界に対して主体的に動くことができません。
世界に動かされてます。
世界と一緒に動く、世界の歯車の一つです。

そこから進化したのが人間です。
人間は、仮想世界を持つようになりました。
仮想世界を介して、世界を認識するようになりました。
これを世界認識の第二世代と呼ぶことにします。

仮想世界は三次元です。
三次元世界とは、三次元空間に物体が配置される世界です。
その中の一つが自分でもあります。

意識は、自分の身体に入っています。
意識は、感情に基づいて自分の行動を決定します。

たとえば、何か価値のある物を手に入れると「嬉しい」といった感情が発生します。
逆に、価値のある物を失うと「悲しい」といった感情が発生します。

感情、意識、仮想世界は、神が書いたプログラムです。
これらのプログラムを得ることで、世界の認識の仕方が、第一世代から第二世代に進化したわけです。
第二世代の一番の特徴は、意識を持ったことです。
意識で世界を認識し、自分の行動を自分を決めることができるようになりました。
人は、自由意志を獲得したわけです。
そして、行動を決定するとき、参考にするのが感情です。
感情に基づいて、自分が得するように行動するわけです。

そして、神が最後に与えたプログラムがあります。
それは、「愛」です。
愛とは、好きな人の感情を、自分のことのように感じる機能です。
好きな人が喜べば、自分も嬉しい。
好きな人が悲しめば、自分も悲しい。

感情というのは、本来、自分の物です。
自分の身を守り、自分の幸福が最大となるように行動するためにあります。
それが、愛情のプログラムにより、自分より好きな人を守ろうとします。
時には、自分の命を削ってでも、愛する人を助けようとしたりします。
これが、神が最後に人間に授けたプログラム、愛です。

こうやって、世界認識の仕方が、第一世代から第二世代に進化してきました。
さて、さらに進化するとしたら、それはどんな世界になるでしょう?

そのヒントになるのが、今まで、何度も取り上げてる「120%脳を解放した女」です。
主人公のジル・ボルト・テイラーは、左脳に脳卒中を起こして、右脳で見る世界を体験しました。
そのとき、自分の体の境界が消えていくのを感じたそうです。
自分と世界の境界が消えて、自分の体が、どんどん大きくなるのを感じたそうです。
やがて、自分と世界との区別が無くなり、世界と一体となるのを感じたそうです。
そして、その時、この上ない幸福感を感じたそうです。

これを、第二世代の世界認識と比較してみましょう。
第二世代では、仮想世界を創ることで世界を認識できるようになりました。
仮想世界は三次元世界です。
三次元世界では、同じ位置に二つの物体が同時に存在しません。
つまり、人、物が区別されて独立して存在するのが三次元世界です。

もしかしたら、ジルが体験したのは、第二世代からさらに進化した第三世代の世界の認識の仕方かもしれません。
つまり、第三世代では、自分と他人の区別、自分と世界の区別が無くなるんです。

区別が無くなるといっても、実際に肉体が溶け出すわけじゃありません。
ジルが感じたのは、認識の仕方です。

肉体は、現実の物理世界に属してます。
そして、自分の体に自分の意識が入っています。
だから、自分と他人とは、完全に区別されるわけです。

でも、第三世代の認識の仕方は、意識が体から分離するようです。
分離すると言っても、現実世界の話じゃありません。
ここでいう体と意識は、仮想世界にある体と意識のことです。

第二世代の認識の仕方では、自分の意識は、自分の体と強く結びついていました。
それが、第三世代では、自分の意識と体との結びつきが弱くなったんでしょう。
だから、意識が自分の体を抜け出して、世界と一体となる感覚を感じたんです。
たぶん、第三世代に移行した意識は、誰もがそれを感じるようになると思います。

つまり、自分と世界、自分と他人の意識が一体となるんです。
これは、第二世代の三次元世界とは全然違います。
三次元世界では、自分と他人とが、同時に同じ位置を占めることはありません。
それが、第三世代の認識の仕方は、お互いの意識が一体となることができるんです。
一体となりながらも、自分と他人の意識が、それぞれ、ちゃんと存在します。
独立と共存が同時の存在する世界です。
それが、第三世代の世界認識です。

第二世代の世界認識では、愛って感情がありました。
好きな人、大切な人が感じてることを、自分事のように感じる機能です。
第三世代の世界認識では、自分の意識と他人の意識が一体となります。
つまり、相手と感情を共有するわけです。
全人類の感情が一体となるわけです。
誰かの悲しみを、みんなで感じます。
誰かの喜びも、みんなで感じます。

ジルは、脳卒中から回復するにつれて、少しずつ、自分の身体感覚を取り戻しました。
つまり、再び、世界と自分とを区別して感じるようになりました。
そうなると、だんだん、世界と一体となった幸福感は、感じれなくなったそうです。
ただ、世界と一体となった幸福感を感じてるときには、何も行動する気が起こらなかったそうです。
そりゃそうですよね。
この現実世界は苦しいことばかりですから。

おそらく、第三世代の世界認識は、意識と身体との結びつきが緩やかで、自由に抜け出たり、戻ったり出来るんじゃないかと思います。
世界と一体となったとき、誰かの悲しみを、自分事のように感じるわけです。
そして、自分の体に戻ったら、誰かの悲しみが小さくなるように現実世界で行動するんです。
それが、第三世代の世界です。

世界はどこにあるのかって話、覚えていますか?
世界は、外にあるんじゃないんですよ。
世界は、頭の中にあるんです。
頭が世界をどう認識するか。
それが変わると、ガラッと、世界が変わるんです。

外の世界が変わるわけじゃないんですよ。
まして、超能力とか手に入れて、肉体が変わるわけじゃありません。
世界の認識の仕方が変わることで、世界は変わるんです。
自分を感じつつ、他人や世界も自分と同じように愛おしく思える世界観。
僕は、そんな風に意識が進化するんじゃないかと思っています。
人類の未来は、そんなに悲観するものでもないと思います。

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それじゃぁ、次回も、おっ楽しみに!