第286回 ネオ・スピリチュアリズム 魂のアルゴリズム


ロボマインド・プロジェクト、第286弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。

今回は、スピリチュアルの世界を、今までと全く別の方向から読み解いていこうと思います。
とはいっても、僕の基本スタンスは科学です。
ただ、科学の立場に立つと、どうしても、意識とか心、魂が扱えませんでした。
というか、科学を厳密に適用すると、意識や心は存在しないとなってしまいます。
でも、心があるとか、意識があるとかって、自分ではわかりますよね。
ここに大きな矛盾があるんですよ。

今回、その矛盾を見事に解決する理論を見つけたんですよ。
デカルトの時代から、解決しなかった問題です。
それは、心と脳は別なのか。
心は、脳のどこにあるのか。
これを、物理と数学の関係から読み解くと、この世界の仕組みが見えてきたんですよ。
これが、今回のテーマです。
ネオ・スピリチュアリズム
魂のアルゴリズム
それでは、始めましょう!

まずは、ニュートン力学から始めます。
重力の法則ってありますよね。

二つの物体M、mがあるとき、その間にはお互いに引き付け合う引力Fが生じるって法則です。

この式を、噛み砕いて説明すれば、引力Fは、物体の重さが重くなったり、距離が近くなったりすると大きくなるってことです。

僕は、この式を最初に見た時、違和感を感じたんですよ。
距離とか重さって違う概念ですよね。
違う概念を掛けたり、割ったりするって、なんか、変じゃないですか。
長さを倍にするとか、重さを半分にするとかなら分かりますけど、長さと重さを掛けたり、割ったりするのに違和感を感じたんですよ。

まぁ、僕のことは置いといて、ニュートンは、リンゴが木から落ちるのを見て重力の法則を発見しました。
この世の全ての物体は、お互いに引き合う不変の法則があると。
そして、それは数式で表されると。

重力の法則だけじゃありません。
自然は、何らかの法則で動いています。
自然界の営みの裏には、どうも不変の法則があるらしいと。
そして、それは数式で表せるらしいと。
その数式を見つけるのが物理学です。

ガリレオは言いました。
「自然という書物は、数学の言葉によって書かれてる」と。
これが科学の考え方です。
その後、電磁気力とか、相対性理論とか、波動方程式とかが発見されたわけです。
自然という書物に書かれた数学の言葉を見つけ出したというわけです。

たぶん、このことは、この500年間、だれも疑ったことがなかったと思います。
僕も、それは間違いないと思います。
ただ、ちょっと思ったんです。
それって、もしかして、逆じゃないかって。

どういうことかって言うと、自然の中に数式が隠れてるんじゃなくて、数式にあうように、この世界がつくられたんじゃないかって。

もうちょっと言い方を変えますよ。
数式というか、何らかの法則があるわけですよね。
重力の法則とか。
法則というか、力です。
この世界を成り立たせる、根本的な力です。
重力とか、電磁気力とか。

そっちが先にあったとします。
その力を実現するように、この世界を創ったと考えてみるわけです。
その力を実現しようとして、三次元空間とか、物体とかを生み出したわけです。
つまり、距離とか重さは、後から生まれたわけです。
そう考えたら、僕が最初に思った疑問も解消されますよね。
距離と重さを組み合わさった数式の方が先にあったわけですから。
それを実現する世界を、後から作ったわけです。
つまり、距離と重さは元々一緒だったのが、この世界に現れるとき、仕方なく分離したってわけです。

それは分かりましたけど、もっと、根本的な疑問が残ってますよね。
それは、じゃぁ、その数式を実現するこの世界を創ったのは、いったい誰ってことです。
もしかして、宇宙人?
それも、とてつもなく文明が発達した宇宙人です。
まぁ、これは、考えても分らないので、ここでは、イメージしやすいように、神と呼ぶことにします。

神が、最初に重力とか電磁気力って根本的な力の法則をつくり出したわけです。
そして、その法則は、数学という理論の上で成立しています。
その根本的な力を具現化するためにつくり出したのが、この物理世界です。
だから、物理世界は、数式で表現できるんです。
そして、物理世界は、根本的な力に従って動いてるんです。

さて、それじゃぁ、神が最初に考えたのは、重力とか、電磁気力とかだけなんでしょうか。
何が言いたいかと言うと、もしかしたら、もっといっぱい根本的な力を考えていたかもしれないってことです。
いっぱいある根本的な力のうち、物理世界で実現できるのが、たまたま、重力とか、電磁気力だったってだけです。
神は、もっと別の力を考えてたかもしれないんですよ。
ただ、その別の力を再現するだけの複雑さを、物理世界が持ってないだけかもしれません。

じゃぁ、物理世界よりもっと複雑なものって何でしょう。
たぶん、それは生命です。
物理世界を構成するのは、石ころや磁石ですよね。
生命って、それらよりはるかに複雑ですよね。
それじゃぁ、その複雑な生命の根源的な力って何でしょう?

それは、生きたいって力です。
それから、子孫を残したいって力です。
それを実現する仕組みが、DNAです。
DNAがたんぱく質をコードして、自己複製するわけです。
DNAの理論が、物理世界の数式に当たるわけです。

DNAもたんぱく質も、物理世界の分子で出来てます。
ただ、それによってつくられる世界は、一つ上のレイヤーにあるといえます。
それを、生命世界と呼ぶことにします。
生命世界を動かす根本的な力も、物理世界とは違います。
それは、生きたいとか、自分の種を残したいって力です。
物理世界では、重力の法則に従って、銀河系や太陽系が動いてるように、生命世界では、生きたい、種を残したいって力に突き動かされて、あらゆる生命が動いてるわけです。

さて、神の考えたものって、これで終わりでしょうか?
いや、もっと複雑なものがあると考える方が自然ですよね。

DNAより複雑なもの、生命世界より上のレイヤーにあるもの。
それは、何でしょう?
僕が思うに、それは脳だと思います。
それも、人間の脳です。
人間の脳は、心や意識を生み出しました。
これが、心のレイヤー、心の世界です。

上の世界は、下の世界の材料を使って作られます。
DNAは、物理世界の分子を使って作られました。
それと同じで、心の世界は、一つ下の生命世界の脳によってつくられます。
脳は一種の情報処理装置です。
つまりコンピュータです。
ということは、心や意識は、脳というコンピュータの上で動くソフトウェアというわけです。
脳という複雑な仕組みができて、初めて、その上で実行される心や意識が実現できたわけです。

物理世界の根本的な力は、重力や電磁気力です。
それらは、数学という理論の上で成り立ちます。

生命世界の根本的な力は、生きたいという力と、種を残したいという力です。
これらは、DNA理論の上で成り立ちます。

それぞれの世界に、理論と根本的な力があるわけです。
それじゃぁ、心の世界の理論と根本的な力は何でしょう?
ただ、脳というだけじゃ、生命世界や物理世界での定義になります。
心の世界として定義するには、心の世界独自の理論が必要です。

僕は、心の世界独自の理論を、意識の仮想世界仮説として提唱しています。
人は、目で見た世界を頭の中で仮想世界として構築します。
意識は、仮想世界を介して、現実世界を認識します。
これが、意識の仮想世界仮説です。

この仮説の最大の特徴は、意識が認識してる世界は、現実世界と切り離されてるってことです。
現実世界と切り離すことで、人は、考えることができるようになりました。

ああして、こうしてって考えるってことは、頭の中で世界をシミュレーションすることです。
それ以前の動物は、考えるんじゃなくて、外界に反応するだけでした。
エサを見つけたら食べたり、天敵が来たら逃げたり。
これらは、考えて行動してるんじゃなくて、環境に反応してるだけです。
それが、人は、どうやって食べようかとか、どうやって逃げようとか、考えて行動できるようになったわけです。

さて、本題はこっからです。
それじゃぁ、その心の世界で実行される根本的な力ってなんでしょう?

仮想世界でできるようになったことの一番重要なことは、想像するということです。
想像することで、自分の未来とかを想像することもできます。
そして、それよりもっと重要なのは、自分以外、つまり相手の気持ちを想像できるようになったことです。

心の世界は、生命世界の上に成り立ってます。
つまり、生きたいとか、自分の得になるように行動したいって生命の根本的な力は持っています。
心の世界は、それに加えて、相手もそう思ってるってことを認識できるようになったわけです。

ここから、たとえば、善悪なんて倫理観が生まれます。
困ってる人がいたら助けるべき。
人に迷惑をかけるべきでないとかって。
この「~すべき」って力って、人を動かす根本的な力となりそうですよね。
ただ、これは、神が創ったものじゃないと思うんですよ。
そうじゃなくて、人間が考え出したものだと思うんです。
社会を安定させるために人間が作り出したルールです。
その延長にあるのが法律です。

じゃぁ、神が創った根本的な力って何でしょう。
それは、たとえば感謝とかって感情です。
相手が自分の為にしてくれたときに感じる、ありがたいって感情です。
善悪との違いは、感情ってことです。
善悪はルールです。
ルールは、社会から押し付けられたものです。
でも、感情は、心の底から湧き上がるものです。
そうしたいと心から思うものです。
それは、ルールでは作れません。
それを作れるのは、心の世界の設計者、神だけです。

感謝の感情があるってことは、その反対もあります。
つまり、こうしたら相手が喜ぶだろうって思う気持ちです。
子供が喜ぶから、誕生日に、この子の好きな物をプレゼントしようって気持ちです。
これも、誕生日にはプレゼントしないといけないってルールがあるから、するわけじゃないですよね。
子供が喜ぶ顔を見たいから、喜んでプレゼントするわけですよね。
これが、心の世界の根本的な力です。

それをさらに推し進めたのが「愛」の感情だと思います。
子供のため、自分の愛する者のため、自分の大事なもの、時には命を投げ出してまで相手を守りたい、助けたいと思う心です。
義務感とか、~すべきってルールで行う行動じゃありません。
喜んで、自らを相手に差し出すこと。
その根本的な力が「愛」です。
これこそが、まさに、神が創った根本的な力といえるでしょう。
その根本的な力を実現できる世界が、心の世界というわけです。

それじゃぁ、心の世界より上の世界はあるんでしょうか?
おそらく、あるでしょう。
ただ、下の世界は、上の世界のことを理解できません。
物理世界の石ころが、生きたいって生命世界の根本的な力を理解できないのと同じです。
生命世界のカエルが、感謝とか愛とかって感情を理解できないのと同じです。

だから、上の世界は、既に存在するのかも知れません。
ただ、僕ら、心の世界の脳では感知できないだけなんです。

でも、想像することはできます。
たとえば、物理世界と生命世界の違いは、DNAでしたよね。
DNAの目的は、自分を次の世代に引き継ぐことでしたよね。
肉体は死んでも、DNAは子孫に引き継がれます。
次の世代に引き継ぐことで、進化していくわけです。

同じように考えたら、心の世界も、次の世代に引き継がれるのかも知れません。
肉体が死ぬと、心の世界を実行してた脳も死にます。
脳で実行されていたソフトウェアとしての心や意識も死にます。
でも、もしかしたら、このソフトウェアの一部が引き継がれる仕組みが存在するのかもしれません。
その一部のことを、魂と呼ぶことにします。

DNAが子孫に引き継がれるように、魂も、新たに生まれた肉体に引き継がれるのかもしれません。
このことを、スピリチュアルの世界では、生まれ変わりとか、輪廻転生と呼んでいます。

ただ、魂が覚えてたことは、その下のレイヤーの心の世界からは、アクセスできません。
ただ、何かの機会に、ひょっと思い出すことがあるようです。
始めて来た場所なのに、前に、来たことがあるとかって感じたこと、ないですか?
いわゆるデジャヴュです。
初めて弾く楽器なのに、前にも弾いたことがある感じがするとか。

僕は、あまりそう言うことは感じないんですけど、ただ、不思議な経験はあります。
たとえば、いまやってる、この研究をずっと続けてるってことも不思議です。
20年以上前、最初に、このアイデアを思いついたとき、「自分がやるべきことは、これだ」って強く感じたことを覚えています。
もしかしたら、あの時、一つ上のレイヤーにアクセスしたんじゃないかなって思うんですよ。
皆さんも、そんな経験、ないですか?

今回紹介した意識の仮想世界仮説に関しては、この本に詳しく書いてますので、良かったら読んでください。

今回の動画が面白かったらチャンネル登録、高評価お願いしますね。
それじゃぁ、次回も、おっ楽しみに!