ロボマインド・プロジェクト、第301弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。
今回のテーマは、体外離脱です。
幽体離脱とも言います。
今回も、『私はすでに死んでいる』の本から取り上げました。
体外離脱に関しては、このチャンネルで何度も取り上げました。
今まで取り上げたのは、事故とか手術中に体外離脱したって話でしたよね。
でも、今回は、ちょっと違うんです。
何が違うかと言うと、体外離脱を人工的に起こすんです。
体から、自分を人工的に抜け出す実験です。
これが、今回のテーマです。
人工体外離脱実験
それでは、始めましょう!
重度のてんかん患者の場合、開頭手術でてんかんの焦点を特定することがあります。
頭蓋骨を開けて、脳に直接電極を刺して確認します。
電極で脳に電流を流して、本人に直接質問しながら特定していきます。
ある女性患者の前庭皮質を刺激した時、妙な感覚がするって言ったそうです。
「ベッドに沈み込む」とか「高いとこから落下する」感じがしたそうです。
そこで、さらに電流を強くすると、「ベッドに横たわる自分を上から見てる」って言ったんですよ。
体外離脱です。
前庭皮質は、体の姿勢や、平衡感覚を保つ役割をするところです。
おそらく、電気刺激で体の位置感覚が混乱して、体から離れた位置に自分を感じたんでしょう。
自分の体の一部が、別の体に移動する現象は、簡単な実験でも確かめられています。
たとえば、第297回で紹介したラバーハンド錯覚です。
(第297回の10:04~10:47)
こんな風に自分の手とゴムの手を机に置いて、間に壁を置いて、被験者には、ゴムの手を見てもらいます。
そして、ゴムの手と自分の手の両方を同時に刺激します。
すると、被験者は、だんだん、ゴムの手が自分の手のように感じてきます。
こんな風に、自分の体って、意外と簡単に他の体に乗り移ることができるんですよ。
この実験、さらに続けると、ゴムの手がなくても、そこに自分の体を感じるそうです。
つまり、何もない空中を触ったふりをしながら、本物の右手を触ると、何もない空中に自分の手があるように感じるそうです。
ただ、体から離れたといっても、手だけです。
体の一部だけです。
これじゃぁ、体外離脱とは言えません。
体外離脱っていうからには、全身が体から抜け出ないといけません。
そんなこと、出来るんでしょうか?
じつは、これも実験で出来るんです。
用意するのはVRゴーグルです。
被験者は、VRゴーグルを付けて立ちます。
VRゴーグルに映す映像は、被験者の後ろ2メートルからみた被験者自身の映像です。
つまり、被験者は、自分の後ろ姿を、目の前に見てるわけです。
VRゴーグルなので、本当に目の前に自分が立ってるように見えます。
この状態で、被験者の背中を棒でなでます。
つまり、被験者は背中をなでられてる感覚を感じながら、自分の背中をなでてる様子を見るわけです。
そうすると、やがて、目の前にみえる自分の背中をなでられてる感覚を感じるそうです。
つまり、自分は、この本当の体にいるんじゃなくて、目の前の映像の方にいるって感じがするんです。
つまり、体外離脱です。
人工的に体外離脱したわけです。
さて、ここで、体外離脱の意味について考えたいと思います。
体外離脱って、どうしても、本当に起ったのかって視点で見てしまいますよね。
たとえば、体外離脱と聞いて、僕が真っ先に思い出すのが立花隆の著書『臨死体験』です。
30年近く前の本です。
ジャーナリストらしい視点で、体外離脱が本当にあり得るのか、世界中を取材して書き上げた本です。
焦点となったのは、本当に体外離脱したかです。
本当に体外離脱したのなら、体がある位置からは絶対に見えないものが見えるはずです。
そこで、体外離脱できるって人を集めて、体外離脱してもらって、隣の部屋の紙に書いてある文字を読んでもらう検証実験をしたそうです。
そしたら、なぜか、誰も体外離脱できなかったそうです。
ところが、一人だけ、成功した人がいたそうです。
そんな話をいっぱい集めた本でした。
これぞ、まさしく科学の視点ですよね。
たしかに、この視点は重要だと思いますよ。
ただ、これだと重要なことを見落とすと思うんですよ。
たとえば、第293回で語ったのは、科学から心を見ると、心なんか薄っぺらいものだって話でした。
何でそうなるかって言うと、科学では、観察可能なことしか扱わないからです。
というか、観察できないものは存在しないってなります。
たとえば、これを見てください。
これは、人の網膜が捉える映像です。
右の白丸が、眼球が一度に捉える映像です。
一度に見えるのは、これだけなんです。
それを、眼球を細かく動かすことで、全体を捉えるんです。
つまり、網膜からの映像は、左みたいになるんですよ。
でも、僕らは、そんな風に感じてないですよね。
右みたいに、視界の全体に世界が広がってるって感じますよね。
でも、そう感じるのは錯覚です。
左が正解なんです。
心でどう感じようが、客観的に観察できるものが事実です。
そう見えない心の方が間違ってるんです。
これが科学の見方です。
でも、何かしっくりこないですよね。
目に見えるもの、観察可能なものだけが正しいってとこに違和感を感じるんです。
体外離脱で言えば、見えないはずのものが見えたら実際に体外離脱してた。
そうでなかったら、幻想だって。
これが科学の見方です。
でも、本当に重要なのはそこじゃないと思うんですよ。
本人がどう感じたかってのも重要やと思うんですよ。
つまりね、本人が心で感じる世界も、現実世界と同じように考えるべきってことです。
どっちが正しいってことじゃなくて、どちらの見方もあるってことです。
さて、体外離脱です。
本当に体外離脱したのかって見方は、現実世界中心の視点です。
それを、体外離脱した側の視点でも考えてみるんです。
そしたら、今までと全然違うものが見えてくるかもしれません。
それじゃぁ、始めますよ。
体を抜け出して、自分を上から見下ろしてたとしましょ。
体外離脱したわけです。
さて、それじゃぁ、体外離脱したものって、いったい何でしょう?
それは、自分ですよね。
でも、普通、自分っていったら、この体を指しますよね。
でも、今、体から抜け出たものに、自分を感じてるわけです。
ということは、体とは別に存在する何かがあるわけです。
それは、感じたり考えたりする心です。
つまり、心と体は必ずしも一体になってるわけじゃないってことです。
ただ、体は、この現実世界、物理世界にあることは間違いないです。
つまり、心と体が一体となることで、僕らは、この現実世界で生きることができるわけです。
次は、全く別の例で考えてみます。
たとえば、ルンバみたいなお掃除ロボットです。
お掃除ロボットは、毎日掃除することで、部屋の形とか学習して、その家に最適化します。
ある日、本体が壊れました。
せっかく学習したので、本体だけ交換して、学習したプログラムを移植することにしました。
これはできますよね。
これを、人間にたとえたら、ロボット本体が人間の体で、本体を動かすプログラムが人間の心になりますよね。
プログラムを入れ替えてもお掃除ロボットがちゃんと動くってことは、本体が同じだからです。
本体が同じだから、プログラムを入れ替えても、センサーとモーターにちゃんとつながるわけです。
さて、人間の場合、脳を刺激すると体外離脱しましたよね。
通常は、心と体がつながっているわけです。
脳を刺激することで、そのつながりに不具合がおこったわけです。
センサーの位置情報が狂ったんでしょう。
だから、心が感じる体の位置が、本来の体からずれたわけです。
さて、こうしてみると、お掃除ロボットと人間は、どちらも、本体とプログラムで成り立ってるといえますよね。
ただ、決定的に違うとこがあります。
それが何かわかりますか?
それは、自分です。
つまり、お掃除ロボットは、自分ってものを持ってないんです。
プログラム通りに動きはしますけど、考えたり、感情を感じたりする自分ってものは持ってないんです。
人間もお掃除ロボットも共通するのは、体とか、モーター、センサーがあるってことです。
モーターって言うのは、人間で言えば、手や足です。
センサーっていうのは、目は耳です。
そして、これらを介して、現実世界とつながってるわけです。
今までの科学が対象としてたのは、この現実世界と関わる部分だけです。
そして、今のAIロボットのプログラムは、モーターやセンサーを制御するプログラムだけです。
自分というのは、その上のレイヤーにあるプログラムです。
自分ってプログラムは、まず、世界の中に自分がいるって認識できます。
でも、お掃除ロボットは、そんな風には認識してないです。
ただ、壁にぶつかったら、方向を変えるとかってプログラムで動いてるだけです。
さらに、自分は感情を持っています。
嬉しいとか悲しい、恐怖などです。
それは、何のためにあるんでしょう。
それは、自分を守るためですよね。
つまり、自分を存続しようって本能があるわけです。
それから、記憶も持てます。
どこで生まれて、家族は誰で、どこの学校を卒業したとかです。
過去の思い出が、自分を作り上げます。
そして、将来は何になりたいとか、もっとお金が欲しいとか、モテたいとか考えてます。
つまり、幸せになりたいわけです。
これが心のプログラムです。
さて、ようやく準備が整いました。
僕らがつくろうとしてるのは、この心のプログラムです。
これは、今までの科学では無視されてた部分です。
でも、これを突き詰めたら、どうなるかを考えて行くわけです。
整理しながら考えますよ。
まず、この現実世界、物理世界があるわけです。
この現実世界で動く体があるわけです。
人間そっくりに動くロボットです。
ここは、すでにここまで出来てます。
ただし、まだ、自分って心は持ってません。
さて、このロボットに心のプログラムを搭載したとします。
自分を存続しようって本能を持ったり、幸せになりたいって考える心です。
自分の体が壊れたら、自分で修理します。
それでも治らなかったら、新しい体を作ります。
そして、自分の心のプログラムを移植するわけです。
そうなったら、もう、人間がいなくても成り立ちますよね。
そんなロボットができたら、つぎはどうしますか?
僕だったら、ロボットだけの世界を作ったら、どんな風に進化するか見てみたいですね。
そこで、どこかの惑星にロボットだけを住ませるんです。
進化を促すために、ロボット本体は数十年で完全に壊れるようにします。
つまり「死」です。
死んだら、自分のプログラムはクラウドにアップロードされます。
そして、新たに生み出されたロボットに、自分のプログラムは転送できるようにします。
こうして、新たな人生を始めるわけです。
さて、ここまで考えたら、何か気づきませんか。
もしかして、このロボットの世界、それって、もしかしたら、この地球もそうじゃないかって。
僕らは、もしかしたら、高度な文明を持った宇宙人に生み出された生物じゃないかって。
死んだ後にアップロードされるのが天国です。
アップロードされるプログラムが魂です。
この世界のシステムのバグで、たまに、生きてる間にも魂が抜け出ることがあるわけです。
それが体外離脱です。
そう考えたら、いろんな事が解決しそうです。
創造神って、宇宙人とか。
生まれ変わりとか、前世の記憶とか。
どうなんですかねぇ。
心の側から体外離脱を考えたら、全然別の世界が見えてきましたね。
目に見えるもの、観察可能なものだけ見てたんじゃ、大事なものを見落としてるかもしれないって、こういうことです。
はい、今回の動画がおもしろかったら、チャンネル登録、それから高評価お願いしますね。
それから、よかったらこちらの本も読んでください。
それじゃぁ、次回も、おっ楽しみに!