昼寝してて、変性意識状態で目が覚めたんですよ。
その時、目の前に数字が見えたんですけど、何の数字がわからないんですよ。
そこに数字があるのは分かるんですけど、目を凝らしても、1か2かとかが、わからない感覚です。
今思えば、たぶん、数字のクオリアを見てたんですよねぇ。
ロボマインド・プロジェクト、第32弾
こんにちは、ロボマインドの田方です。
クオリアシリーズの3回目です。
前回、前々回とクオリアの理論的な話でしたが、今回は、違いますよ。
クオリアそのものを何とかして見ようって話です。
「クオリアってなんだ?」の第一回で、言いました。
脳科学者は、MRIとかで脳を観察してクオリアを探そうとしてるって。
そんなことしても、クオリアは見つからないって僕は思っています。
なぜなら、意識やクオリアは脳というコンピュータの上で実行されるソフトウェアだからです。
ソフトウェアの動き確認するのに、CPUを分解しても意味ないです。
じゃぁ、どうするんだって話です。
CPUとか、一番下のレベルを観察するんじゃなくて、一番上のレベル、つまり、実際に動いてるソフトウェアそのものを観察するんです。
当たり前の話です。
実際に動いてるソフトウェア、それは意識です。
意識からクオリアを観察しようってのが、僕のやり方です。
でも、どうやってやるんだって話です。
そこで、もう少し整理してみましょう。
意識が認識してる世界は、頭の中に作り上げた仮想世界です。
その話は、第21回「意識の仮想世界仮説」で解説してますので、詳しくはそちらをご覧ください。
世界は3次元空間です。
だから、頭の中の仮想世界も3次元となります。
意識は、3次元の仮想世界を認識するわけです。
眼の網膜に映し出されてるのは、網膜が2次元平面なので2次元の映像です。
だから、2次元映像を3次元に変換して仮想世界を創ってるはずです。
こんな風に、2次元の映像から、3次元の仮想世界へ段階を追って処理が進んでいくわけです。
そして、最後の段階を、意識が認識するわけです。
僕らの意識が感じてる世界は、この、最後の段階の世界だけなんです。
その奥で、本当は様々な処理が行われているはずなんですが、意識からみたら、それはわからないんです。
見えるのは、最後の結果だけなんです。
ここまでは分かりますよね。
今、分かるのは意識が見てる世界です。
まずは、今、意識が見てる世界をじっくり観察するところから始めましょう。
ここにペンがあるでしょ。
このペン、こうやって動かしても、後ろのホワイトボードとは別に動きますよね。
めっちゃ、当たり前のこと言ってますけど。
でも、よく考えたら、元々は、これは網膜に移った2次元画像です。
どこまでがペンで、どこからがホワイトボードかとか、そんな区別はなかったわけです。
それを、ペンだけ動かして違和感がないってことは、既に、頭の中では、ホワイトボードとペンとは別オブジェクトとして管理してるわけです。
こうしてペンを回転させると見える形が変わりますが、それは同じ物体を見る角度を変えてるだけですよね。
それが分かるってことは、意識は、3Dオブジェクトとして見ているわけです。
たとえば、こんな感じです。
3Dオブジェクトだから、自由に変形できます。
つまり、眼で見たペンの形に合うように変形させるわけです。
そして、その表面には、眼で見たペンと同じ画像を貼り付けるわけです。
それが、今、あなたが見てるペンというわけです。
これがペンのクオリアです。
見た目だけじゃなくて、こうやって、カチッとキャップを取ったり、ホワイトボードに書いたり。
違和感なく、普通に感じられますよね。
ということは、カチッとキャップを取ったり、書いたりするって使い方もペンのクオリアを構成してるわけです。
カチッていう感覚のクオリアと、書くっていう行為のクオリアが、このペンのクオリアの部品なわけです。
どうやら、基本となるクオリアの部品があって、いくつものクオリアの部品を組み立てて、クオリアは完成するみたいですねぇ。
そんな仮説が立てられます。
ここで、二つ、疑問が出てきます。
まず一つは、はたして、この仮説は正しいのか?
それからもう一つ、じゃぁ、いったい、クオリアって、どこまで細かく分解されるんだってことです。
意識で分かるのは、完成後のクオリアだけです。
完成する前の、部品のクオリアは、本当にあるんでしょうか?
実は、僕は、完成前の部品のクオリアを、直接見たことがあるんです。
今日は、その話をしますね。
それは、学生時代の事でした。
その日ね、自宅で、こうやってね、机にうつぶせになって昼寝してたんですよ。
ふと、目が覚めて、あっ、いつの間にか寝てもたなぁって思ってたんですよ。
半分眠って、半分起きてる状態です。
変性意識っていうらしいんですけど、そういう状態に入ってたみたいです。
で、そのとき、目の前にお札が見えたんです。
あれ、お札の上にうつぶせになって寝てたんかなぁって、最初、思ったんですけど、
よく考えたら、おかしいんですよね。
完全に眼をつむってるし、見えるわけないですから。
じゃぁ、これはいったいなんやろうって思ったんですね。
とりあえず、何円札かだけ確認しようと思ってよく見ようとしたんですけど、いくら見ても数字が見えてこないんですよ。
いや、確かに、そこには数字があるのは分かるんですけど、具体的に何かがわからないんです。
え~、どういう事。
じゃぁ、何でお札って思ったんやろ。
何が見えるんやろって、目を凝らしてよく見ようとしたんです。
そこで見えてくるのは、モアレ模様っていうんですか、こんな風に細い線で書かれた模様です。
こんな風に、はっきりした形で見えるわけじゃないですけど、細い線で描かれた模様の断片が、あちこちで、消えたり現れたりしてるんです。
それを見て、たぶん、あぁ、お札があるって思ったみたいなんです。
しばらく見て、それ以上、何もわからないから、起き上がったんですけど、やっぱり、机の上にはお札なんかなかったんです。
その当時、僕は、人は、どうやって物を認識してるんやろって、よく考えてたんですよ。
それで、その後、しばらく、今見たものをずっと考えてたんです。
その時思ったのが、たぶん、あれは、お札を構成する部品を見たんだろうって。
数字は、1とか2とかで覚えてるんじゃなくて、数字以前に、数字の原型みたいなのがあるんだって。
僕がみたのは、その、数字の原型じゃないかってね。
普段、直接みることのない数字の原型、そのものをみたんじゃないかって。
ほんで、その数字の原型に1を割り当てると、数字の1になって、2を割り上げると数字の2になるとか。
第23回「人工知能が思い出を語り始めた」で、意識のプログラムは、オブジェクト指向言語で作られるって話をしたと思いますけど、覚えてますか。
オブジェクトっていうのは、プロパティとメソッドで管理されてます。
で、数字の原型に数字を割り当てるってのは、数字を生成するとき、数字のオブジェクトに1とか2の数値を割り当てて生成するってことになるわけだ。
だんだん、わかってきましたよ。
それから、お札。
お札は、お札の模様の原型みたいなのと、数字の原型みたいなので構成されるわけだ。
たぶん、眼でお札を見たとき、この原型に当てはめるんだな。
お札の模様の原型を通してお札をみてるから、これはお札だって認識するのか。
ははぁ~ん、見るって、こういう事かって、その時、めちゃくちゃ興奮したのを覚えてるんです。
当時、認知科学の本とかもよく読んでたんですけど、こんなこと、どこにも書いてないんですよ。
あっ、今でも、こんなこと書いてある本なんかないですけどね。
僕がYouTubeでしゃべってることは、どっかの本に書いてることじゃないんですよ。
科学的に証明されてることをしゃべってるわけじゃないですから、そこは、勘違いしないでくださいよ。
とにかく、これが、意識の方から降りてクオリアを探るってことです。
意識やクオリアの謎を解くのは、この方法が正解じゃないかなと思ってます。
MRIみたいな機械もいらないんで、お金をかけずに研究できますしね。
それはともかく、どうも、頭の中には数字の原型があるみたいなんです。
たぶん、漢字とかひらがなの原型みたいなのもあると思うんです。
だから、たとえば、
「あ+ぬ」(ホワイトボードに書く)
とか、存在しないけど、ひらがなっぽく感じるわけです。
何て読むかわかります?
あぬ
あぬ
ベリーグッ
はい、それでは、次回も、こんな感じで、意識がどうやって世界を認識しているのか、解説していこうと思います。
それでは、次回もお楽しみに!