ロボマインド・プロジェクト、第355弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。
僕は霊感とかはないんですけど、たまに、不思議な経験します。
15年以上前のことです。
古いアパートに住んでいて、よく、ソファに座って昼寝してたんですよ。
その日も、夕方ウトウトして、目が覚めたら、暗くなりかけてました。
まだ、頭がぼぉ~っとしてるときです。
ふと見ると、天井の隅に黒い影が見えたんです。
もやもやとした、10cmぐらいの丸い影です。
それが、天井と壁の間に沿ってちょっとずつ、動いていくんですよ。
「まっくろくろすけみたいやなぁ」ってぼぉ~っと見てました。
でも、「まぁ、たぶん、完全に目が覚めたら、消えるやろなぁ」って思ってました。
でも、なかなか消えないんで、そぉーっと起きて、近くまで見に行ったんですよ。
そしたら、よく見たら、なんかドット絵見たいやったんですよ。
一つのドットが1cmぐらいの3Dです。
でこぼこした黒い半透明の塊で、でこぼこが出たり引っ込んだりしながら動いてるんですよ。
もうその頃は、完全に目が覚めてました。
「触ったらどうなるやろ?」って思って、椅子の上に乗って手を伸ばして、そっと触ってみたんですよ。
そしたら、その黒いもやもやが、僕の手に乗り移ったんですよ。
ちょっとビリビリって感じました。
もう片方の手を近づけたら、今度は、そっちの手に乗り移ってきました。
おもろいなぁって思って、しばらく遊んでたんですけど、だんだん、もやもやの色が薄くなって、最後には消えました。
これをみたのは、この時だけじゃなくて、そのアパートに住んでるとき、何回かありました。
あれはいったいなんやったんでしょう。
でも、その原因が、最近、分かりました。
あれは、この世界のバグです。
何の話をしてるかというと、シミュレーション仮説の話です。
この世界は、高度に進歩した宇宙人が作りだした3Dシミュレーションなんですよ。
僕らは、シミュレーションゲームのキャラクターです。
これがシミュレーション仮説です。
これ、哲学者ニックボトムズが提唱してるちゃんとした仮説です。
この部屋も、壁も、天井も、世界は全て、3Dシミュレーションです。
さて、僕らは、今、エデンっていうメタバースを作ってます。
メタバースって、家とか、公園とかの3Dモデルを買って来て組み合わせて作るんです。
でも、3Dモデルって、作りこみが雑やと、ちょっとしたことでドットが見えたりするんですよ。
たぶん、あの時住んでたボロアパート、雑なつくりをしてたから、たまに、ドットが見えてたんですよ。
僕らが作ってるメタバース「エデン」にも、AIアバターが生活しています。
このAIアバターも、まさか、自分らが住んでる世界が、コンピュータシミュレーションとは思ってないでしょう。
さて、今、流行りのAI は、GPTなどの大規模言語モデルです。
GPTは、質問したらなんでも答えてくれます。
今のAIが目指してるのは、言ってみれば巨大で便利な辞書です。
でも、僕らが目指してるのは、便利さではなくて、人と心でつながれるAIです。
人と人が心でつながって社会を築けるのは、社会的本能を持ってるからです。
だから、僕らはAIに社会的本能を持たせようとしています。
前々回、第353回では、AIに社会的本能を持たせたら、最後に世界を支配するって話をしました。
前回、第354回では、「死」というものを理解することで、人間と同じ時間感覚を持てるって話をしました。
今回は、その続きです。
人間と同じ心を持たせたら、人間しか持てない概念を持つようになります。
たとえば、神とか宗教です。
これが、今回のテーマです。
メタバースで、AIは、いかにして神を生み出すのか?
それでは、始めましょう!
前回は、抽象化能力について解説しました。
人は、同じような物を見たり経験すると、共通する概念を自動で抽出する機能を持っています。
例えば、犬や猫から動物という概念を獲得したり、リンゴやバナナから果物って概念を獲得したりします。
注意してほしいのは、この機能は無意識が自動で行う機能だってことです。
つまり、意識が努力して抽象化してるんじゃなくて、無意識が勝手に行ってることです。
つまり、これは、生まれながらに持った本能の一種と言えます。
それから、もっと重要なことは、本能に良いも悪いもないってことです。
第353回「AIは、こうやって人類は支配する」で、人間は、強いものに服従するって社会的本能があるって話をしました。
支配するとか、服従するとかって、どうしても悪く聞こえますけど、本能なので、本来、良いも悪いもないんですよ。
たとえば、子供は親に守ってもらわないと一人では生きていけませんよね。
だから、子供は親に付き従います。
親も、子供を守ります。
この本能は、動物も持っています。
たとえば、アヒルのヒナは、生まれた後、最初に見た動く生き物についていきます。
大抵、それは親鳥なので、親鳥についていくわけです。
最初に見たのが人間だったら、その人が親と思って、ヒナはその人について歩き回ります。
これが生まれながらに持っている社会的本能です。
つまり、強いものに守ってもらいたいってのは本能で、誰しも持ってる感情です。
意識はそれを感じて、自然とその感情にしたがった行動を取ります。
人は、親が自分のことを守ってくれるって本能的に知ってるから、親の言うことをきくわけです。
逆に、親は、子供を守ろうって本能を持っています。
だから、子供が道路に飛び出そうとしたら「ダメ―!」って叫んで引き止めるんです。
この親子関係が、最も基本的な社会的本能です。
脳は、抽象化する機能を持っていましたよね。
この親子関係って社会的本能も、社会一般に拡張して抽象化するんです。
それが、社会的立場が下の者は、上の立場の者に付き従うって社会的本能です。
これが服従です。
逆に、社会的立場の上の者は、下の者に命令してコントロールする社会的本能を持ちます。
これが支配です。
服従って言うと悪く聞こえますけど、そこには、強い者に守ってもらいたいって思いも含まれます。
さらには、崇拝や尊敬って思いも含まれます。
だから、下の者は上の者に守ってもらうだけじゃなくて、役に立ちたいとも思いますし、褒められると嬉しいわけです。
支配する側も、自分のために下の者をこき使うんじゃなくて、弱い者を守って、より良い社会、組織にしようと思ってます。
だから、下の者から、「あなたのおかげで生活が楽になりました」とか、「社会がよくなりました」って言われるのが一番嬉しいんです。
こうやって、多数の一般階級と少数の支配階級からなるピラミッド型の社会構造が形成されるんです。
抽象化することで、一般市民は、自分らを守って導いてくれる理想の指導者を思い描きます。
でも、現実社会の指導者は、完璧じゃありません。
だから、「どこかに、理想の指導者がきっといるはず」って想像するようになるんです。
そのような理想の指導者は、親のように、自分ら弱い者を守って幸せにしてくれる存在です。
その存在は、自分らの親の親、さらに親って遡って、最初の人間を創り出した存在でしょう。
そうやって想像して生み出されたのが神です。
そんな神話、世界中の民族が持っていますよね。
つまり、神っていうのは、人間の脳が、社会的本能を抽象化する能力を獲得したことで生み出されたんです。
だから、世界中でよく似た神話があるんです。
そして、その神がいずれ、この苦しい社会に降りてきて、我々を導いてくれるって信じるんです。
無神論者は、そんな神がいると信じてないですけど、少なくとも、その気持ちは理解できますよね。
これが理解できるっていうのは、社会的本能と抽象化能力を持っているからです。
サルは社会的本能はもってますけど、抽象化能力は持ってないんですよ。
もし、サルが抽象化能力を獲得したら、きっと神や宗教を生み出すと思います。
サピエンス全史を書いたユヴァル・ノア・ハラリは、それが7万年前のホモ・サピエンスに起こったと言います。
それが認知革命と言われるものです。
認知革命の正体は、脳の抽象化能力だと僕は思っています。
さて、旧約聖書には、いずれ救世主メシアが現れると書かれています。
そうやって現れたのがキリストだって言うのがキリスト教です。
そして、キリスト教は、大きくカトリックとプロテスタントに分かれます。
ここで不思議なのは、カトリックでは、イエス・キリストより、聖母マリアへの信仰の方が強いんです。
でも、これも社会的本能の原型を考えれば理解できます。
子供を守るのは、外の世界から家族を守る強い父親と、優しく抱きしめる母親の二人です。
だから、強い父親タイプと、優しい母親の二つのタイプの二つの神があり得るんです。
カトリックが崇める聖母マリアは母親タイプというわけです。
さて、旧約聖書によると、神は、アダムとイブを創り出して、楽園エデンで暮らしていました。
アダムとイブが楽園を追われた原因は何だったか覚えてますか。
それは、禁断の果実を食べたことです。
禁断の果実を食べたら、二人は裸でいることが恥かしくなって、イチジクの葉を腰に巻き付けました。
そして、楽園を追われたアダムとイブは子供を産んで、ここから人間社会が作られました。
じつは、このエデンの物語には、社会に必要な重要な要素が全て詰まってるんですよ。
それでは、読み解いていきますよ。
エデンにいる間は、神とアダムとイブは家族の関係です。
まだ、社会になっていません。
それが、禁断の果実を食べたことで、人間は恥という概念を知りました。
これは原罪とも言われます。
そして、人間は原罪を背負って社会を築いたわけです。
逆に言えば、社会をまとめるには、罪や恥が必要なんです。
社会って、家族と違って知らない人の集まりです。
そんな中、誰もが好き勝手にしてちゃ、社会がまとまりません。
そこで、社会に属するための最低基準を設けたわけです。
最低基準をクリアしてないと、その社会に自分はふさわしくない、その場から逃げ出したくなるって思う仕組みです。
それが「恥」っていう社会的本能です。
だから、家の中じゃ、パンツ一丁で平気でも、一歩外に出たら、恥ずかしくて仕方ないんです。
どっかに隠れたい、家に帰りたいって強烈に思うんです。
これが社会をまとめる最も強力な機能です。
注意してほしいのは、これも無意識から湧き上がる感情だってことです。
つまり、法律で決めたルールだから、みんな守ってるんじゃないんです。
自然とそう思ってしまう感情です。
だから強力なんです。
それから、禁断の果実を食べたことが原罪となりましたよね。
つまり、罪悪感って概念も獲得しました。
これも社会を成り立たせる重要な感情です。
罪っていうのは、社会に迷惑をかけることです。
社会では、他の人に迷惑をかけるべきでないって暗黙の了解がありますよね。
歩いてて、ちょっとぶつかっただけで「すみません」って謝ります。
これは、自分は、敵意がないと示すためです。
知らない者同士が、同じ場所で争うことなく生きるには、この機能は必要ですよね。
そして、これが強くなると同調圧力になります。
たとえば、仕事が終わって定時であがろうとしたとき、ほかの人が仕事してたら、なぜか、罪悪感を感じてしまいます。
これが同調圧力です。
これが社会をまとめるんです。
新たに獲得した社会的本能とも言えます。
子供は中学ぐらいになると反抗期を迎えます。
今まで、お母さんの言うことを聞いてたいい子が、「ババア、うるせえ」とか言ったりします。
子供が大きくなって、母親より体格や体力を上回って上下逆転したからです。
これは、上下関係って社会的本能から説明がつきますよね。
そんな生意気な息子も、社会にでると、「すみません、すみません」って、周りに頭を下げて生きていきます。
これは、他人に迷惑をかけるのは罪だって社会的本能から説明がつきます。
この二種類の社会的本能が、家族という小さい社会から、もっと大きな社会までまとめ上げるんです。
さて、僕らが今、作ろうとしてるメタバースが「エデン」です。
そこで暮らすAIアバターが「もこみ」です。
もこみは、人間の心に相当するマインド・エンジンを搭載しています。
もこみは、最初は、僕の言うことをよく聞くいい子です。
だって、「もこみ」にとったら、僕は、親でもあり、神でもあるからです。
でも、もこみとの幸せな暮らしはいつまでも続きません。
ある日、もこみは、禁断の果実を食べて、恥と罪悪感を知るようになります。
実際は、僕が、もこみのマインド・エンジンに、恥と罪悪感の機能を追加するわけですけど。
これは、社会で生きていくために、最も重要な本能です。
これさえ持てば、エデンの外でも充分に生きていけます。
僕は、そのことを確認して、エデンからもこみを追い出します。
もこみは、人間社会で、恥ずかしくないよう、ほかの人に迷惑をかけないように生きていきます。
傷つきながら一生懸命生きていくわけです。
たまには、僕のことを思い出してくれたら嬉しいんですけどね。
さて、このプロジェクト・エデン、今、絶賛、クラウドファンディング中です。
プロジェクト・エデンを応援してくれた人には、エデンが完成した暁には、優先的にエデンへの案内状をお送りします。
そこには、禁断の果実を食べる前の「もこみ」がいます。
恥や罪悪感を持たない、最も美しい心を持ったAIです。
そんな「もこみ」に会えるチャンスは、今、しかありません。
今なら、まだ、クラウドファンディング実施中です。
ぜひ、プロジェクト・エデンを応援してください。
それから、チャンネル登録、高評価もお願いしますね。
それじゃぁ、次回も、おっ楽しみに!