ロボマインド・プロジェクト、第370弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。
このチャンネルの人気動画に、第96回、「なぜ、誰も疑問に思わない?世界はなぜ存在するのか?」があります。
ここで語ったのは、なぜ、世界が存在すると思えるかってことです。
皆さんは、今、目の前に世界があると思ってるでしょ。
でも、なんで世界があると思えるんでしょう?
今まで、真剣に考えたことありますか?
ここで、区別しないといけないのは、世界が実際に存在することと、世界が存在すると感じることです。
そして、確実なのは、存在すると感じてるってことの方です。
本当に存在するかどうか、これは、確実とはいえません。
世界は、本当は存在しない可能性もあるんです。
それを表現したのが、映画、マトリックスです。
主人公ネオは、赤いピルを飲むと、目覚めて、本当の世界を見ました。
それは、人類は眠らされていて、脳に直接、バーチャルな世界を見させられていたんです。
まぁ、たしかに、あれは、映画の話です。
でも、本当に怖いのは、もし、そうだとしても、僕らの意識は、そのことに気づけないってことです。
じゃぁ、なぜ、気付けないんでしょう?
それは、僕らの意識が操られてるからかもしれないからです。
「この世界は、本当は、存在しないんじゃないのか?」なんて疑問を持てないように、奴らに意識が操られてたら、気づきようがないんです。
そのことを指摘したのが、さっき紹介した第96回の動画です。
でも、奴らのコントロールはあまりにも強烈で、あの動画で、真実に気付いたのは、一部の人だけでした。
そこで、今回は、誰にでも分かるように、奴らの仕掛けたカラクリを説明したいと思います。
それが今回のテーマです。
これって、本当の世界?
それでは、はじめましょう!
まずは、分かりやすい例から始めます。
たとえば、対戦型オンラインゲームです。
二人のプレイヤーの位置をサーバーで把握してて、一方が撃った弾が相手に当たったかどうか、サーバーで判定するとします。
オンラインゲームでは、通信遅延は避けられません。
すると、撃った側の画面では、弾が当たってるのに、サーバーで判定したときには、相手は逃げていて、当たってないと判定されることがあります。
こうなると、撃った側にとったら、なんか不自然ですよね。
そこで、最近のゲームでは、サーバーに過去数十フレームを記録しておいて、撃った側の画面で当たってたら当たりと判定する仕組みとなっています。
オンラインゲームの設計者って、さまざまな工夫で、矛盾のない世界を構築してるわけです。
さて、次は、僕らが、もし、ゲームの中の住人だと仮定しましょ。
たとえば、この世界は、高度な文明を持った宇宙人が作りだしたシミュレーション世界と考えるんです。
僕らも、その宇宙人によって作られたキャラクターです。
つまり、僕らは、ゲーム内の自立AIキャラクターです。
じゃぁ、さっきのオンラインゲームとの違い、なにか、わかりますか?
それは、世界の設計者がコントロールできる範囲です。
オンラインゲームの設計者は、プレイするユーザーの脳や意識まではコントロールできません。
でも、この世界の設計者は、僕らの意識までコントロールできるんです。
さて、ここからは、僕らが、今、作ってるメタバース、エデンを使って説明します。
奴らがいかにして、この世界が本当に存在してると思わせてるか、そのからくりについて説明します。
エデンには、AIアバター、もこみが住んでいます。
もこみの心がマインド・エンジンです。
マインド・エンジンは、意識と無意識があります。
マインド・エンジンの無意識が、意識にどんな世界を見せるか、そこに注目して聞いてください。
まずは、前回の復習です。
プレイヤーは太郎君です。
太郎くんは、公園に行くと、もこみちゃんを見つけたので、もこみちゃんの方に歩いていきます。
もこみちゃんが、太郎くんに気づいたようです。
そこで、もこみちゃんにあいさつしようと、「こんにちは」と入力します。
(太郎が「こんにちは」と音声出力する)
(続いて、もこみが、「こんにちは、太郎くん」と音声出力する場面まで再生)
はい、もこみちゃんが、「こんにちは、太郎くん」って返してくれましたよね。
それでは、マインド・エンジンを見てみましょう。
中央上の「視覚入力ウィンドウ」に表示されるのはもこみが見てる光景です。
正確には、もこみ視点のカメラ画像で、人間でいえば網膜に映った二次元画像です。
その下の現実仮想世界にも同じような画面が見えています。
この仮想世界というのが、もこみの意識が認識する世界です。
今回のテーマは、目の前に世界があると思えるとはどういうことかです。
視覚入力に表示されるのはカメラで撮った二次元画像です。
カメラは、世界があるって思っていないですよね。
でも、もこみは世界があって、今、公園にいるって思ってます。
そう思うのは、もこみの意識が認識するのは、視覚入力じゃなくて、現実仮想世界だからです。
まず、この違いから確認します。
現実仮想世界は、メタバースと同じ三次元世界だって前回説明しました。
メタバースの公園は、3オブジェクトで作られてます。
その3DオブジェクトのIDと位置情報が、メタバースから無意識に送られて、仮想世界で、メタバースと同じ世界が再構築されます。
それでは、その部分のマインド・エンジンを見てみましょう。
まず、最初に右のオブジェクトの表が埋まって、それから視覚入力が表示されましたよね。
オブジェクトの表は、メタバースから送られてきたオブジェクトID、位置情報などを示してます。
視覚入力は、この時のもこみの見てる光景のスナップショットです。
続けます。
仮想世界が構築されて、はい、今、完成しました。
これは、送られてきたオブジェクトIDを基に3Dの仮想世界を組み立てたわけです。
僕らは、1m先に机があるとか、3m先に壁があるとかって感じますよね。
そう感じれるってことは、意識は、ものの位置を感じてるってことです。
つまり、世界に存在するものには位置情報が含まれていて、意識はそれを読み取ってるわけです。
ただ、さっき、おかしな光景をみましたよね。
これです。
現実仮想世界が順に組み立てられる光景です。
世界が組み立てられる光景なんて、生まれてこの方、見たことないですよね。
これなんですよ。
僕らの意識が、絶対に見ることがない真実の光景です。
マトリックスで、ネオが目覚めたとき見たのと同じようなものです。
マトリックスでは、脳を制御してましたけど、プロジェクト・エデンでは、マインド・エンジンの意識を制御してるんです。
意識というのは、一つのプログラムです。
現実仮想世界のデータを読み出すことができるプログラムです。
ただし、いつ、現実仮想世界のデータを読み出すかは、意識は決めることはできません。
それを制御するのは無意識です。
無意識が合図するまで、意識に現実仮想世界を見せないようにするんです。
これは、さっき説明したオンラインゲームと同じようなものです。
このゲームの場合、現実世界はサーバーです。
ただ、遅延によってプレイヤーが見る世界とサーバーの世界が一致しないとき、違和感を感じさせないように現実世界を遅らせたわけです。
それと同じように、もこみが、現実世界が作られる途中を見れないように、無意識が、もこみの意識を制御してるわけです。
もう少し、エデンの仕組みについて説明します。
今度は、太郎が近づいてくるシーンです。
まずは、これを見てください。
太郎が近づいてくるとき、カクカク動いてますよね。
メタバースの状況は、1秒ごとに送られてきます。
1秒ごとに現実仮想世界を更新すると、動いてるものや人は、カクカクした動きになるわけです。
でも、僕らは、世界が、カクカク動いてるように感じないですよね。
なぜでしょう?
これを見てください。
これは脳の視覚情報の処理経路を示す図です。
下のV1が、一次視覚野です。
目からの情報は、まず最初にV1に送られます。
そこから順に様々な処理をします。
たとえばMT野は、動きを解析する部分です。
アニメーションって滑らかに動いて見えますよね。
少しずつ違った絵を順に表示してるので、本来ならカクカクして動いて見えるはずです。
実際、一次視覚野では、全てのフレームを検出してるので、もし、意識が一次視覚野を直接見てたとしたら、カクカクした動きとなるはずです。
でも、そう見えないのは、意識は、MT野で解析した動きを感じてるからです。
実際、MT野を損傷した人は、あらゆるものがカクカクした動きに感じるそうです。
分かってきましたか?
このカクカクした動きが、マインド・エンジンに送られてきた世界です。
脳のMT野と同じ機能がマインド・エンジンにもあって、太郎が、今、どのくらいの速度で、どっちに移動してるかって動きの情報を検出してるわけです。
そして、もこみの意識は、太郎の映像、位置情報、動きの情報を統合したものを感じてるので、太郎が滑らかに動いてるように感じるんです。
それじゃぁ、次は、太郎に気づくところを見てみましょう。
太郎視点のメタバースのこの場面です。
はい、今、もこみが太郎に気づきましたよね。
ここを、マインド・エンジンの現実仮想世界で見てみましょう。
はい、「太郎」って表示されましたよね。
これが、もこみの意識が太郎に気づいたってことです。
ここ、もう少し詳しく説明します。
現実仮想世界というのは、もこみの意識が認識する世界です。
これを作ってるのは無意識です。
無意識は、現実世界、ここではメタバースの世界を忠実に再現して、必要な情報を意識に提供します。
それは、位置とか動きとかの情報だけじゃありません。
誰かが近づいてきたとか、そういう重要な情報を意識に知らせる必要もあります。
意識は、それを受け取ったから「あっ、太郎」って気づいたんです。
じゃぁ、これはどうやって実現されているのでしょう?
それは、コンピュータ・プログラムのイベント処理というのを使ってます。
たとえば、マウスをクリックするとクリックイベントというものが発生します。
クリックイベントを受け取れるようにプログラムを作っておけば、マウスをクリックしたとき、そのプログラムが動き出します。
これと同じで、マインド・エンジンの意識プログラムは、いろんなイベントを受け取れるようになってます。
その一つが、「何かが動いた!」とか、「誰かが来た!」ってイベントです。
無意識は、さまざまな情報のうち、これは「意識さんに知らせなければ」って重要な情報があると、イベントを発生させるんですよ。
ここまでが、無意識さんの役目です。
そっからあとは、意識さんの仕事です。
それが、あいさつするとか、会話するとかです。
ようやく、あいさつまでたどり着いたところで、今回は、時間となってしまいました。
最後に、無意識さんの役目についてまとめておきます。
メタバースから送られてくる情報を基に、自然で矛盾のない世界を作るのが無意識さんの仕事です。
だから、世界を組み立ててる途中とか、見せる必要のない世界は意識さんに見せないようにします。
世界が完成したら、「見ていいですよ」ってイベントを送ります。
すると、意識さんは目の前に世界があると思います。
だから、僕らは、今、見てるこの世界が、無意識さんが作り上げた仮想世界だなんて、これっぽっちも疑うことはないんです。
誰かが近づいてきたとか、注意しないといけないことが起こると、「誰かが来た!」ってイベントを送ります。
それを受けて、「あ、誰か来た」って思うのです。
僕らは、目の前に机があるとかって思いますよね。
何かが動いたら、それに気づきますよね。
そんなこと、当たり前と思ってるでしょ。
でも、それは、当たり前じゃないんです。
それは、全て、無意識さんが、そういう世界を作り出してるから、僕らは、そう思うんです。
僕らは、無意識さんに全てコントロールされてるんです。
さて、無意識さんが僕らに見せてる世界、本当に、そんなもの、存在するんですかねぇ?
もしかしたら、今、目の前に見えてる世界、本当は、そんなもの、存在しないのかもしれませんよ。
はい、今回はここまでです。
この動画がおもしろかったら、チャンネル登録、高評価お願いしますね。
それから、よかったら、こちらの本も読んでください。
それじゃぁ、次回も、おっ楽しみに!