第406回 人生は攻略できる。 〜リスパ思考の成功法則。


ロボマインド・プロジェクト、第406弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。

最近、これからの生き方とか、成功とか幸せとかについて聞かれることがあります。
それで、探してたら、橘玲の新刊がでていました。
これです。
『人生は攻略できる リスパ思考の成功法則』
橘玲流の人生攻略方法について書いた本です。

今の日本社会だと、このままじゃ絶望しかありません。
でも、社会を変えるのは難しいです。
そこで、今の日本社会で、幸せに生きるにはどうすればいいのかって攻略法です。
一見、若い人向けに書かれた本ですけど、50代、60代にも通用する内容です。
だって、最近は、人生100年って言われています。
脳科学の進歩で、脳にチップを埋め込んで直接コンピュータを操作する時代になります。
メタバースのパーティで出会った10代の美少女が、実は100歳超えた寝たっきりのおばあちゃんだってこともあり得ます。
まぁ、こっちも同じですけどね。

1970年代は、55歳とか60歳で定年して、余生10年を年金と退職金でのんびり暮らせてました。
日本社会の基本設計は、そこからあまり変わってないんですよ。
いくら何でも、それじゃヤバイってわかりますよね。

じゃぁ、どうすればいいのか。
これが今回のテーマです。
人生は攻略できる。
リスパ思考の成功法則。
それでは始めましょう!

日本の働き方の特徴は、何と言っても終身雇用です。
大企業に入って、定年まで働くのを望みます。
管理職になるには総合職といって、人事とか営業とか経理とか、いろんな職種を経験します。

さて、ずっと同じ会社で働くとすると、どうなると思います?
それは、その人の評判がずっとついて回ります。
だから、一番避けないといけないのは悪い評判がつくことです。
「あの人は~で失敗した」「あの人は~できない」って思われたら、昇進できません。
だから、定年まで、悪い噂を立てないようにします。
会社の同僚ともよく飲みに行きます。
行かないと、陰で何を言われるか分かりませんからね。
だから、意外と、みんな、仲良くやってるわけです。
これが日本が、戦後築き上げた終身雇用の会社です。
会社を家族のように思って、愛社精神を持っているわけです。

ところが、調査によるとそうはなっていません。
なんと、世界でもっとも自分の会社を嫌う国民は日本人らしいです。
たとえば社員が会社にどれだけ愛着を持ってるかを示すエンプロイ・エンゲージメントを見ると、日本は先進国中で最も低い7%です。

ちなみにトップのアメリカは30%で、その次がブラジルの27%。
日本の次は中国の6%です。
また、別の調査だと、会社に反感を持ってると答えた人は33%と他の国に比べて突出して高かったそうです。
そんなに嫌いだったら、辞めたらいいのにって思いますよね。
でも、構造的に、一生、同じ会社で働かないといけないようになってるんです。
なぜなら、転職するには専門的な能力がないといけませんよね。
でも、日本の会社は、いろんな職種を経験させられるので専門的な知識が付きません。
だから、転職もできないんです。

それから、日本人は労働生産性が低いのも有名です。
1970年以降、一貫してG7の中で最下位です。
なんでこうなるのか、これもわかりますよね。
サラリーマンにとって、業績を上げることより、失敗しないことの方が重要だからです。
そりゃ、労働生産性が低くなります。
これが日本の終身雇用の結果です。

じゃぁ、他の国はどうなんでしょう?
会社が合ってないと思ったらすぐに転職します。
普通は何度も転職して、自分に合った仕事を見つけます。
これを伽藍とバザールでたとえます。
伽藍っていうのは立派な協会のような大きな建物です。

権威があって、選ばれた人がこの中で静かに働いています。
これが日本の企業です。
一方、バザールは、誰でも参加できます。

その代わり、目立たないと売れません。
「あの店は美味しい」って評判を集めたら、一気に売り上げがあがります。
でも、「あの店は不味い」って悪い評判がたったら終わりです。
失敗です。

でも、バザールのいいところは、失敗したら、また、一から始めたらいいわけです。
新しい店をだしても、前に失敗したことなんか、誰も知りません。
これがバザールのいいところです。
バザールで重要なのは、目だって、いい評判を集めることです。
これをポジティブゲームといいます。

一方、日本の会社で重要なことは、とにかく失敗しないことでしたよね。
これをネガティブゲームと言います。

じゃぁ、どっちのゲームに参加したいですか?
そりゃ、ポジティブゲームですよね。
ポジティブゲームは、自分でやりたいことを決められますから。
ゲームの基本は、好きな仕事をするです。

さて、ここで好きなことを仕事にするとき、大きな問題が立ちはだかります。
それは、努力と才能です。
いくら野球が好きだと言っても、大谷翔平みたいな持って生まれた才能がある人がいるわけです。
しかも、才能があるうえに人より努力します。
そんな人に勝てるわけないですよね。

たいていの人は、ここであきらめるわけです。
それを、いかにして攻略するかがこの本の内容です。

そのために、いろんな要素を分解していきます。
まずは、遺伝と環境です。
持って生まれた才能と、その後の環境、どっちも重要ですよね。

ここに、興味深い話があります。
アメリカに貧しいピアニストがいました。
彼女は一卵性双生児を産んだんですけど、貧しくて育てられないので、泣く泣く養子に出したそうです。
一人は、音楽家、もう一人は普通の家庭です。
大人になったら、一人はプロのピアニスト、もう一人は普通の仕事に就いていました。

興味深いっていうのは、どっちがピアニストになったかです。
じつは、普通の家庭に育てられた方がピアニストになったんです。
音楽家に育てられた人は普通の仕事に就いたんです。
なぜ、こんなことになったんでしょう?

ここに、多くの人が勘違いしてることが読み取れます。
一卵性双生児なので、どちらも全く同じ音楽の遺伝子を受け継いでピアノの才能を持っています。
ピアノを習うと、みんなより上達が早かったでしょう。
普通の家庭に育てられた子は、みんなから「すごい」「天才」って言われたと思います。

でも、音楽家だと、少々うまく弾いても、あまり褒められなかったと思います。
だって、そのぐらい弾けるのは当たり前ですから。

その結果、普通の家庭で育てられた子がピアニストになって、音楽家に育てられたら普通の仕事につく結果となったわけです。

わかりましたか?
環境が重要だって言いますけど、それは、どんなピアノの先生をつかせるかってことじゃないんですよ。
音大を出た先生につかせないといけないとかって、つい、思ってしまいますけど、重要なのはそこじゃないんですよ。
見るべきは、表面的なピアノのテクニックじゃなくて、本人に、楽しいって思わせることです。
楽しいって思わせたら、あとは、その子が勝手に練習して成長します。
この先生がいい、この先生は嫌って、自分で見抜けるようになります。
親が見るべきは、目を輝かせてるか、嫌々やってるかです。
環境を整えるってのは、目を輝かせて取り組める環境を整えるってことです。

自分にはピアノの才能があるってわかったら、あとは簡単です。
とにかく、それに打ち込むことです。
1万時間の法則っていいます。
なんでもプロになるには、1万時間かかるってことです。
1万時間って、一日10時間練習するとして約三年です。
そのぐらい取り組めば、専門家になれるってことです。
専門家になれば、今の会社が嫌なら転職すればいいですし、定年になっても、働き続けることができます。

1万時間続けれるものって、そりゃ、好きなことでないとむりです。
でも、才能や好きなことが、まだ、はっきり分からない場合、どうすればいいでしょう。
自分に何が合うかは、とにかく、何でも挑戦するべきです。
会社の中で挑戦するんじゃなくて、外の社会で挑戦するんです。
社会はバザールです。
失敗したら、別のことに挑戦すればいいんです。

そうやって、自分のやりたいことと、好きなことで、自分が生き残れる場所を探すんです。
野球やピアノはライバルが多すぎますけど、そうじゃない場所を探すんです。
1万時間取り組んでも飽きない好きなことです。

でも、本当に、そんなことができるんでしょうか。
僕も、サラリーマン時代、これからは好きなことだけして生きていこうって決めました。
今でも好きなことだけして生きています。

でも、最初からうまく行ったわけじゃありません。
僕は、子どものころから本ばかり読んでいました。
だから、読書家になりたいと思ってたんですよ。
いろんな本を読んで何でも知ってる人に憧れてました。
大学時代の僕のヒーローは荒俣宏です。
荒俣宏は世界大博物図鑑ってトンデモナイ図鑑をたった一人で書き上げました。

その資料蒐集に世界中の古書を集めたそうですけど、1億4000万円以上の借金をしたそうです。
それは後に小説「帝都物語」のヒットで完済したそうです。
映画は「帝都大戦」です。

荒俣宏とも親しい松岡正剛にも憧れていました。
僕がYouTubeの原稿を書くのにウィキペディアの次に参考にしてるのが松岡正剛の千夜千冊です。

毎夜、一冊ずつ本を紹介してるんですけど、取り上げる範囲の広さから深さまで、常人じゃないです。
哲学や思想から生物学、コンピュータまでありとあらゆる分野の本を取り上げます。
それから、荒俣宏は紀田純一郎に師事したり、澁澤龍彦の仕事も手伝っていました。
紀田純一郎の『読書の技術』って本に、悪い本の買い方って話がありました。
その人は、毎日、ステッキを持って散歩に行くんですけど、散歩と言っても、執事とかがついてくるような人です。
途中、古本屋によって本を買うそうですけど、本を積み上げてステッキの高さに達するまで帰らないそうです。
「こんなのを真似をしないように」って言うんですけど、「誰が真似するか!」って思いますよね。
そんな人たちに憧れてたんで、絶対に勝てないって思ってました。

それで、僕もサラリーマンになりました。
特許事務所です。
特許事務所って、あらゆるジャンルの仕事が来て、それを文章で説明する仕事です。
本を読むのが好きだったので、新しいいろんなことを知るのは楽しかったです。

普通は面白くない技術文書なんですけど、僕は、なんとか分かりやすく説明しようと心がけてました。

そうこうしてるうちに、30の時、今のアイデアを思いつきました。
やろうとしたのは、物語をコンピュータで自動生成することです。
そのためには、言葉の意味を理解できないといけないんですけど、AIは、未だに言葉の意味理解ができないってわかりました。
分からないことを考えるのは大好きです。
言葉の意味を理解するには、たぶん、心や意識が関係ありそうだってわかってきました。
それで意識について調べたら、こっちは、もっと分かってないってことがわかってきました。
どんどん、調べないといけないジャンルが増えてきて、それが、楽しくて仕方ないんですよ。

最初の目的は、コンピュータで心や意識を発生させることです。
それまでプログラムなんか書いたことなかったので、まずは、プログラムの勉強です。
プロになるには、1万時間が目安っていいますけど、働いてたらそんな時間が取れないので、思い切って会社を辞めることにしました。

そうやって1年程がんばったんですけど、貯金もなくなってきたので、何とかせなあかんと思って始めたのが「せどり」です。
ブックオフで本を仕入れてアマゾンで売るってネットビジネスです。

その頃には、独学でプログラムは書けるようになってたので、せどりツールを作って売ることにしたんですよ。
僕は技術者なので、ビジネスとかマーケティングとか、絶対無理やって思ってました。
でも、そうは言ってられないので、サイトを作りました。
セールスページってやつです。
書いてみると、どうも、自分はセールスページを書くのが得意ってわかってきたんです。
サラリーマン時代、難しい技術文書を、いかに分かりやすく説明するかってことをに力を入れてたので、それに比べたら、セールスページの方がはるかに簡単でした。
この商品がどれだけ便利で、他社製品は、なぜ、これができないのかって理屈を分かりやすく説明すれば、みんな納得して買ってくれるんです。
どうも、普通の技術者はそれができないようで、僕は、それができるって気づいたんですよ。

その大元になってるのは、いろんなことを知りたいっていう性格と、難しい話を分かりやすく説明できるって能力です。
これは読書好きってのを分解して、わかったことです。
好きなことを仕事に生かすってのは、そういうことなんですよ。
好きを分解して、お金に変える方法を見つけるんです。

さて、それでお金が入ってくるようになったので、10年ぐらい前から、自分が本当にやりたい研究に戻りました。
3年ほど前からYouTubeも始めました。

昔から知ってる人なら、僕がYouTubeなんかするタイプの人間じゃないってこと、よく分かってると思います。
基本、家で静かに本を読むのが好きな人間です。
できるだけ目立ちたくないし、注目されるのは苦手、モテたいとも思ってません。
笑いは好きですけど、笑い自体が好きで、人気者になりたいとかは思ってないです。
山に引きこもって仙人のような生活にずっと憧れてます。

それがなんでYouTubeかです。
それは、自分の好きなことして生きていくにはポジティブゲームに参加しないといけないからです。
ピアニストの例でもいいましたよね。
遺伝と環境が重要なんです。
遺伝っていうのは、その人が持って生まれた才能です。
環境っていうのが、うまいってみんなに褒めてもらえる環境です。
それが、ポジティブゲームです。

僕がやろうとしてることは、世界中で誰もやってません。
身近に評価してくれる人なんか絶対いません。
でも、世の中は広いので、ネットのどこかには、評価してくれる人がいるはずです。
そういった人に評価してもらうには、ネットって環境で自分のやってることを蓄積しないといけないんです。

会社に就職するときに必要なのが学歴とか職歴です。
好きなことで生きていくのに必要なのは、履歴書にのらない評価です。
その一つが、SNSなどの評価です。
キーワードは評価社会です。

あなたは何者か、何ができるか。
絵が描ける、文章が書ける。
それを示すものをネットに載せて、評価をもらう必要があるんです。
あなたの評価を目に見える形にすることで、あなたと働きたい人と繋がれるんです。

これが、好きなことをして生きていくのにやるべきことなんです。
100歳まで生きるとしたら、やれることはいっぱいあると思います。
よかったら参考にしてください。

はい、今回はここまでです。
参考になったとおもったらチャンネル登録、高評価お願いしますね。
それからよかったらこちらの本も読んでください。
それじゃぁ、次回も、おっ楽しみに!