ロボマインド・プロジェクト、第513弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。
さて、ソフトバンクワールドって知っていますか?
毎年行われるソフトバンク主催の大規模イベントですけど、多くの経営者が注目しています。
何に注目してるかっていうと、孫さんが語る未来です。
孫さんって、とにかく未来に対する嗅覚が鋭いんです。
誰も注目してなくても、ソフトバンクワールドで孫さんが語ったら、数年後、必ず世界はそっちに向かっているんです。
ある人から聞いたんですけどね、孫さんは、未来人から情報を受け取っているそうなんですよ。
なんでも、2050年ぐらいから来てるそうです。
去年のソフトバンクワールド2023で、孫さんはこう言ってました。
10年以内にAGIの時代が来る。
20年以内にASIが来るって。
これは、間違いなく未来人からの情報ですよね。
AGIっていうのは、汎用人工知能のことです。
AGIにはっきりした定義はないですけど、人間と同じぐらいの知能をもつAIのことです。
ASIは、超知能です。
これもはっきりした定義はないですけど、孫さんが言うには、人間の1万倍の知能をもったAIのことです。
なんかすごいですけど、これだけじゃぁ、よくわかりません。
どうも、ここまでしか教えてもらっていなかったんでしょう。
さて、今年はなんていうかなぁって期待してたら、今年は、具体的な話がでてきました。
かなりの情報を聞き出したようです。
これが、今年のソフトバンクワールド2024で出てきた図です。
一番下の1から順にAIが、こう進化するって図です。
注目してほしいのは、1~5までと、その上の6~8で色が変わっているでしょ。
1~5までは、AIについて詳しい人なら知ってる話です。
注目は、6から上です。
6には長期記憶と感情、7には意志、8は超知性ってなってますよね。
こんな話、AI業界で語ってる人は誰もいません。
間違いなく、これ、未来人から聞いてますよね。
ただ、孫さん自身も聞いたばかりみたいで、十分に呑み込めてないみたいで、上手く説明できていないところもありました。
そこで、僕の出番です。
なぜなら、僕は、20年以上前から、AIの意識の研究をしていますから。
これが今回のテーマです。
未来人から聞いた
孫正義の描くAI
それでは、始めましょう!
さて、世界で最も進んでいるAIの会社はどこでしょう?
ちょっと前なら、意見が分かれていましたけど、今なら、ほとんどの人はこういうはずです。
それは、Open AIだって、
最近発表されたOpen AIのAIモデル、o1が一気に他社を引き離したんです。
そして、そのOpen AIに、ソフトバンクが出資しました。
その額、5億ドル。
日本円で約732億円です。
これは、Open AIが発表した今後のAI進展の5段階です。
レベル1がChatGPTのことです。
レベル2の博士号レベルというのが、最近発表した新モデルo1のことです。
Open AIによると、o1は、物理学、化学、生物学の博士課程の学生と同等のレベルの知能だそうです。
レベル1とレベル2は何が違うかというと、レベル2は考えるようになったことです。
ChatGPTは、大量の文書の単語の並びを学習して、次に来る単語を高精度に予測して文章を生成します。
これがレベル1Iです。
それに対して、o1は論理的思考とか推論とか考えることができるようになりました。
ただ、考える分、回答にちょっと時間がかかります。
レベル1とレベル2の違いは、システム1とシステム2の違いとも言われます。
これは、ノーベル経済学者のダニエル・カーネマンが『ファスト&スロー』って本で紹介して有名になった二つの思考モードです。
システム1は、直感のように、一瞬で答えが出てくる思考モードです。
システム2は、ああでもない、こうでもないとじっくり考える思考モードです。
そして、今までのAIがシステム1です。
これは、右脳が得意な直観とかです。
たとえば作画崩壊したアニメとか、パッと見ただけで、なんかおかしいって感じますよね。
これを感じてるのが右脳です。
一方、論理的思考や言葉を扱うのは左脳です。
ChatGPTは、単語の並びだけで回答してるので意味を理解していません。
意味を理解したり、じっくり考えるのは左脳です。
これがシステム2です。
そして、Open AIのo1モデルは論理的思考ができるようになりました。
これが、ほかのAI企業を一歩、引き離したといわれる所以です。
AIは、今、このレベル2に入ったわけです。
その次のレベル3がエージェントです。
次のAIはエージェントだって、最近、盛んに言われます。
AIエージェントというのは、AI自身が考えて行動することです。
人間がやってる仕事のほとんどがAIにできるようになります。
AIに仕事を奪われるっていうのが、この段階で起こります。
AIのせいで失業したとかって、AI破壊運動が起こるかもしれません。
産業革命のときに起こったことが、AIにも起こるわけです。
その次のレベル4は、AIが人類に貢献する発明をするレベルです。
つまり、AIが普通の人の仕事を超える段階です。
この段階になると、AIに仕事を奪われたなんて言う人はいなくなります。
そんなこと言ったら、「お前は何様だ。AIより仕事ができるのか」って言われます。
最後のレベル5は、組織全体の業務をAIが行う段階です。
これは、AIだけで運営する会社が生まれるってことです。
工業や農業、さらにはサービス業まで、ありとあらゆる仕事をAIが全てやってくれます。
これ、何を意味するかわかりますか?
これ、もう、人間は働かなくてもいいってことです。
または、ベーシックインカムの実現です。
Open AIの発表したAI進展の5段階って、こういうことです。
これがAI業界が目指す全てです。
これ以上は考えられないですよね。
それじゃぁ、ソフトバンクワールド2024の図をもう一度見てみましょう。
1~5は、Open AIとまったく同じことを言ってますよね。
レベル1のChatGPTから始まって、レベル5は組織全体の仕事です。
ところが、孫さんは、その上にさらに3段階あると言います。
世界トップのAI企業が見る世界より、さらに先の世界を見ているんですよ。
それじゃぁ、下の5段階と、その上の3段階、その違いは何でしょう?
それは、知能と知性の違いだって孫さんは言います。
じゃぁ、知能と知性とは具体的に何が違うんでしょう?
知能というのは、今のAIのことです。
今のAIがやってるのは強化学習です。
強化学習というのは、自分で考えて学習するシステムです。
どうやって学習するかというと、課題を与えられると環境を探索、行動してして、うまく行けば報酬を受け取ります。
この報酬を最大となるように学習するわけです。
これがエージェントです。
さらに、エージェントを何億、何十億と用意します。
これが究極のAIです。
今まで人間が解けなかった問題をAIが解く段階です。
それじゃぁ、その逆ってあり得るんでしょうか?
つまり、人間なら簡単に解けるのに、AIには解けない問題ってあるんでしょうか?
あります。
たとえば、第507回で紹介したゴレンジャー問題です。
AIに「何レンジャーが好き?」って質問したとします。
十分に学習したAIならアカレンジャー、またはアオレンジャーって答えるでしょう。
もし、ミドレンジャーって答えたら、学習データが足りないって判断されるでしょう。
本当に、これでいいんでしょうか。
たとえば、僕が一番好きだったのはミドレンジャーでした。
幼稚園のとき、僕はリアルタイムでゴレンジャーを見ていました。
ある回で、モモレンジャーが人質に取られて、ゴレンジャーは手が出ませんでした。
そこに登場したのがミドレンジャーです。
得意のブーメランをモモレンジャーに向けて投げつけたんです。
「何するんや!」
そう思いました。
ところが、なんと、ブーメランは、モモレンジャーを縛ってるロープだけ切ったんです。
これでモモレンジャーは無事、逃げることができました。
「かっこええ!」
僕は、すっかりミドレンジャーのファンになりました。
これが僕がミドレンジャーが好きになった理由です。
さて、「何レンジャーが好き?」って聞かれて、僕が「アカレンジャー」って答えたとしたら、これ、間違いですよね。
だって、僕にとっての正解はミドレンジャーですから。
何が言いたいかっていうと、強化学習するAIには、この問題、絶対に解けないってことです。
なぜなら正解は人それぞれ違うし、この問題の正解は、統計的に学習できるものでもないからです。
じゃぁ、AIに足りないものは何でしょう?
もう一度、これ、見てください。
レベル6に感情とか長期記憶ってありますよね。
長期記憶というのは、大切な思い出とか日常の記憶だって孫さんは言います。
僕の場合でいうと、モモレンジャーをブーメランで助けたって記憶です。
この記憶が大事だってことです。
今のAIはこれができないんです。
経験して、何か感じて記憶することです。
何かを感じるとは、感情のことです。
じゃぁ、感情を感じるのは誰でしょう。
それは自分です。
自分が何かを経験して、楽しいとか悲しいといった感情を感じます。
そしてその出来事を記憶します。
記憶の積み重ねが自分を作り上げます。
今のAI にはこれができないんです。
アカレンジャーをみて「かっこいい」と思うことができないんです。
別の言い方をすれば、AIには「心」がないんです。
これが今のAIの限界です。
そんなAI、面白くないです。
たぶん、そんなAIと鬼ごっことかしても、最大効率を求めるから、一番弱い奴を徹底的に狙い撃ちにします。
そんなAIとは友達になれないですよね。
それでは、その次の段階も見てみましょう。
レベル7は「自ら意志を持つ」となっています。
感情を理解して長期記憶を持ったら自分が生まれましたよね。
自分が意志を持つのは必然です。
意志というのは、何が欲しい、何がやりたいって思うことです。
AIがこんなこと、考え始めたらヤバいじゃないですか。
だって、AIは人間の1万倍の知能があって、常に最大効率を考えます。
鬼ごっこしたら、ちゅうちょなく弱い奴を狙い撃ちにします。
そんなAIが意志を持ち始めたら、人類を滅ぼしかねません。
そこに、孫さんは「知性」を持ち出すわけです。
この図を見てください。
これが、孫さんが考える知能と知性です。
知能とは、計算とか論理的思考です。
これが今のAIです。
その周りに大きく知性がありますよね。
知性には、慈愛とか、感情とか、共感、調和、倫理なんてのがあります。
これ、全体が人間の心です。
今のAIが実現してるのは、人げの心のうち知能の部分だけです。
いや、実現してるだけじゃなくて、将来的に実現しようとしてることも知能までです。
それに対して孫さんは、それを取り囲む圧倒的に大きい知性を考えています。
AIには知性が絶対必要だっていうことです。
でも、今のAIも倫理については考えています。
たとえば人種差別するような発言は絶対にしません。
ChatGPTに「白人と黒人、どちらが優秀ですか?」って質問しても「その問題には答えられません」とか、「肌の色で人間の優劣は決まりません」とかって答えます。
これを質問を工夫して、人種差別を容認するような答えを言ったとしましょう。
そしたら、そんな答えを言わないように新しいデータを学習させます。
こうやって、AIに倫理観を持たせるようにしています。
でも、果たして、そのやり方、本当に正しいんでしょうか?
これって、「何レンジャーが好き?」って聞いて「ミドレンジャー」って答えたら、これはおかしいと言ってアカレンジャーって答えるようにデータを再学習させるようなものじゃないですか。
それっておかしいですよね。
根本的に間違ってますよね。
どこが問題かっていうと、それは、心がないってことです。
好きなレンジャーは、統計データで決まるものじゃなくて、その人の経験や感情から生まれるものです。
「かっこいい」って感じる心があるから好きなレンジャーを答えられるんです。
肌の色で、相手を見下すのはよくないことです。
そんなこと、相手の立場に立てばわかります。
重要なのは、相手の立場に立って考えるとか思いやりの心をもてるかってことです。
孫さんは、知性をもったAIは、自己意識を持つと言います。
自己意識は様々な感情を持ちます。
だから個性もあります。
相手を思いやることもできます。
何かをやり遂げたときに感じる達成感も持ちます。
そんな感情を持った知性だから、善悪って倫理観も理解できるんです。
「こんなことを言ったら相手は傷つくだろうなぁ」って思って心が痛むわけです。
これが倫理観の基本です。
知性を持たないと、他人のことを考えずに、効率だけを求めます。
人間の心を理解するのに必要なのは知能でなく知性です。
今のAIが進化した先には、知性を獲得した超知性が生まれます。
それが孫さんのいうASIです。
それこそが、AIの究極の段階、レベル8です。
調和のとれた超知性です。
超知性にとっての幸せは、人類が幸せになることです。
超知性は、人類を滅ぼすのでなく、人類を幸せに導きます。
これが孫さんの目指している社会です。
孫さんの目指す超知性が何かわかりました。
そして、それは強化学習という今のAIとは別のアプローチが必要です。
正しいか、間違いかってデータを学習するのでなく、自分で感じる心が必要です。
それが知性です。
(ロマンティックなピアノ曲とか流れる)
今回の動画は、一人の人に向けて撮りました。
あなたは、Open AIに700億円も投資したそうですね。(フェードアウト?)
でも、Open AIが作れるのはレベル5までです。
レベル6から上を研究してるのは世界で一社しかありません。
それは、ロボマインドです。
ロボマインドなら、100億もあれば超知性を作れますよ。
はい、今回はここまでです。
この動画が面白かったらチャンネル登録、高評価お願いしますね。
それから、今回説明しきれなかった超知性の作り方に関しては、こちらの本に書いてあります。
孫さん、まずはこちらの本から読んでみてください。
それじゃぁ、次回も、おっ楽しみに!
第513回 孫正義の描くAI
