第361回 スピリチュアルズ 「わたし」の謎6 〜アートを生み出す脳


ロボマインド・プロジェクト、第361弾!
こんにちは、ロボマインドの田方です。

今回も、橘玲の『スピリチュアルズ -「わたし」の謎』からです。
この本は、ビッグファイブといわれる心理学の主要五因子、ビッグファイブを基に解説しています。
ビッグファイブというのは、外向性、協調性、神経症的傾向、誠実性、開放性の五つです。
今回は、この中の開放性です。
ただ、開放性といっても、何のことかよくわからないですよね。
新しもの好きの指標とかとも言われますけど、ここでは、芸術とかアートにも関係します。

脳科学から開放性を読み解くと、芸術とは何かが見えてきます。
これが、今回のテーマです。
アートを生み出す脳
それから、前回、ロボマインドの株を売り出すって話をしたら、結構、問い合わせがありましたので、最後に、その話もしますので、ぜひ、最後までお聞きください。
それでは、始めましょう!

開放性は、精神疾患だと、統合失調症との関係性が高いです。
統合失調症といえば、幻聴が幻覚が伴います。

ここで、幻聴や幻覚って、そもそも、何かってことから考えようと思います。
幻聴や幻覚の反対は、現実ですよね。
現実にはないものが見えるのが幻覚ですよね。

じゃぁ、どうやって幻覚がみえるんでしょう?
それは、眼からの情報を組み立てるときに間違ったんです。

ここで、人は、どうやって現実世界を認識するか、僕が提案する心のモデルで考えます。
人は、目で見た世界を頭の中で仮想世界として構築します。
意識は、この仮想世界を介して現実世界を認識します。
これを、意識の仮想世界仮説といいます。

眼からの情報から仮想世界を組み立てるのは無意識です。
無意識は、世界を作るとき、すでに知ってる情報に当てはめて世界を組み立てます。
たとえば、リンゴを見たとき、リンゴに必要な情報だけをつかってリンゴを組み立てるわけです。
逆に言えば、膨大な情報を受け取っていても、ほとんどの情報は捨てられるんです。

さて、ここでLSDのような幻覚剤を使ったとします。
すると、幻覚とか幻聴を感じるようになります。
色覚障害者のなかには、幻覚剤を使って、初めて見えた色があるという人もいます。
これは、何が起こってるかというと、今まで無意識が捨てていた情報も意識が感じるようになったわけです。
つまり、無意識のフィルタが緩くなって、一気に膨大な情報が入ってきたんでしょう。
入ってきた情報から世界を組み立てるのも無意識の役目です。
世界を組み立てる無意識は、膨大な情報を基に、つじつまが合う世界を組み立てないといけません。
その時、現実に存在しない幽霊とか、幻覚を作り出すのかもしれません。

たとえば、木の木目が顔に見えることってありますよね。
これなんか、

どうみても、犬に見えますよね。
これは、眼から入ってくる情報から無意識が世界を作るとき、木の板と犬の両方を作り上げてるんでしょう。
だから、意識は、木の板を見ながら、犬も見えてしまうんです。
幻覚剤を使うと、これがもっと強烈になるんでしょう。

統合失調症の人は、幻覚が見えると言います。
これも、入力情報のフィルタが緩くなって、情報過多になって存在しないものが見えるんでしょう。

意識は、現実世界を仮想世界を介して見ます。
この時使われるのが、現実世界をそのまま反映した現実仮想世界です。

それとは別に、過去を思い出したり、未来を想像したりするときに使う仮想世界もあります。
それを、想像仮想世界と言います。
想像仮想世界は、脳の中だと、デフォルトモード・ネットワークに当たるって話を、第356回でしました。
この想像仮想世界に閉じこもって、過去のことを何度もぐるぐる考えたりして、現実で行動できなくなるのが鬱です。

こうして考えると、統合失調症は、意識は現実世界を向いてるわけです。
ただ、無意識のフィルタが緩くなって情報過多となるんです。
それで、情報を適切に処理しきれなくなって、ありもしないものを作り出したりしてるんでしょう。
一方、鬱の場合、意識は想像仮想世界に閉じ込められています。
想像仮想世界に閉じ込められるとは、外からの情報をほとんど受け取っていません。
これは、無意識のフィルタがきつすぎて、外からの情報をシャットダウンしてる状態と言えます。
だから、幻覚剤をつかうと、鬱から抜け出すことができる人もいるそうです。

それから、統合失調症気味の人が、ビッグファイブの開放性が高い人です。
そして、開放性が高い人に、芸術家が多いとも言われています。

画家や音楽家の中には、音に色がついて見えたりするという人がいますけど、これなんか、まさに、無意識のフィルタが緩くなって、情報過多になって、入力情報が交差したんでしょう。
ゴッホも統合失調症じゃないかと言われています。
たぶん、ゴッホは、月夜に、本当に、こんな渦巻きが見えていたんでしょう。

それから、実在しないものを想像するとき、前頭前野の右側が活性化することがわかっています。
ここは、統合失調症の患者で過活動する部分でもあります。

どうも、人は、創造的になるとき、脳は、統合失調症と似た振る舞いをするようです。
このことを調べるために、電極で、脳の右前方を刺激しながら、比喩を考えさせる実験をしたそうです。

そうしたら、電気刺激した被験者は、かなり独創的な比喩を考えるようになったそうです。
全く関係ない言葉を、実にうまく組み合わせて的確に表現できるようになったそうです。
次に、本人にわからないようにスイッチを切って、同じように比喩を考えてもらったそうです。
すると、同じように全く違う言葉をつかって比喩を考えるんですけど、スイッチを入れたときほど、うまい表現にならなかったようです。
常識にとらわれた表現しか生み出せなかったそうです。

比喩がうまいといえば、僕らの世代だと、村上春樹を思い浮かべます。
たとえば、ボブディランの声について、主人公の女友達は、こんな風に語ってます。
「まるで小さな子が窓に立って雨ふりをじっと見つめてるような声なんです」って。
まぁ、正直、意味はようわからないですけど、こんな言葉に、みんなしびれてました。

そこで、ふと、思いついてChatGPTにも聞いてみました。
「村上春樹が言いそうなセリフを教えて」って。
そしたら、すぐに、こう答えてくれました。
「風吹けば、桶屋が儲かる」

たぶん、デビュー作の「風の歌を聴け」と、ボブディランの「風に吹かれて」から作ったんやと思います。
でも、村上春樹もボブディランも、絶対、「桶屋」とか「儲かる」ってワードはチョイスしないですよねぇ。

比喩って、なんでもええから、違う言葉をつなげたらええってもんやないんです。
センスってもんがいるんですよ。
まぁ、これをChatGPTに求めるのは酷ですけどね。

さて、言語能力が優れてるのは男性より女性です。
言語能力が優れてるので、男性より女性の方が社交的で、人と交流するのが好きです。

日本社会では、男の子が外向的でいろんなことにチャレンジして、女の子は内向的でおとなしいって思われてますけど、実際は逆なんですよ。
たとえば、不登校には男女差はあまりないそうですけど、ひきこもりの人数は、男が女の2倍近いそうです。
つまり、学校に行かない女の子は外に遊びに行って、男は家に閉じこもってるわけです。
大学生の海外留学率も、男子が40%で、女子は60%と、性別によって大きな開きがあります。
どうも、若い女性は冒険好きというのは、脳に刻まれた本能のようです。

これは、じつは、人類以前から確認されています。
たとえば、チンパンジーやボノボは、メスは思春期を迎えると「冒険的」になって、慣れ親しんだグループ内のオスでなく、他の集団のオスに興味を持つようになるそうです。
異なるグループが遭遇すると、メスが他の集団に移ったりするそうです。

さらに、進化人類学の研究によると、人類の祖先、アウストラロピテクスの歯の化石を分析して、あることがわかったそうです。
それは、男性の歯は、発見された地質と同じ成分を示してたそうですけど、女性の歯は、別の場所を示してたそうです。
つまり、女性は、別の土地からその土地に移り住んだことを示してるわけです。
女性は冒険的で、他の土地に行きたがるのは、チンパンジー、アウストラロピテクスの時代から現代まで変わらず持ってる、女性の本能と言えそうです。

そうなると、見直さないといけないこともいっぱいでてきそうです。
たとえば、哲学、現代思想の分野に構造主義ってあります。
構造主義といえば、レヴィ=ストロースです。

レヴィ=ストロースに先立つモースは、パプア・ニューギニアで広く行われてる贈与や交換に注目しました。
そこでは、真珠や貝殻から作られた首飾りや腕輪を、2年~10年かけて、島々をめぐって交換する儀式が行われています。
貴重なものを交換することで、制度として社会交流を作り上げていたのを解明したんです。

同じことを、レヴィ=ストロースも調査しました。
レヴィ・ストロース、オーストラリアの先住民を調査して、婚姻規則が女性の交換として成り立ってることを発見しました。
具体的には、交差いとこ婚が奨励されて、平行いとこ婚が禁止されるとかの規則を発見したんです。
交差いとこ婚というのは、父方のオバの子供、または母方のオジの子供との婚姻関係です。

複雑な話ですけど、要は、女性を交換して親族となることで、敵味方に分かれて戦争するのを避けて、社会を安定させるって話です。
文字を持たない未開社会でも、目に見えない複雑な構造があることを発見したんです。
ここから、20世紀の構造主義ってのがうまれて、目に見えない構造を見つけることが哲学とか現代思想で流行ったわけです。
まぁ、見方によったら女性を、社会を安定させる道具にしてるとも読み取れますし、フェミニズムは、構造主義の影響を大きく受けているのは間違いないです。

でも、今日の話を考えたら、この考え、ちょっとちがうんじゃないかなって思いますよね。
たとえば未来の人類学者が、21世紀の女子学生の留学率が男子学生にくらべてかなり高いのを発見して、「日本社会では、女性を海外に行かせて結婚させることで、戦争を避けてた」なんて分析したら、いや、それは違うよってなりますよね。
まぁ、オーストラリアの先住民は文字を持たない社会なんで、レヴィ=ストロースも好き勝手いえたんでしょう。

20世紀までは、それでよかったと思いますけど、21世紀は、哲学や社会学も、脳科学を踏まえるべきやと思います。
脳の特性から、人の性格や行動を分析するんです。
そして、今後、絶対やるべきは、そうやって明らかになった人の特性や性格をAIに組み込んで、メタバースで社会実験することです。
これこそが、21世紀の新しい社会学や哲学になると思います。

それをするには、まずは、人間の心を高精度に作る必要があります。
それも、無意識がどんな処理をして、意識は、何を処理してって、きちんと設計して作るべきです。
そんな心のモデルを実装したAIができれば、そのAIアバターをつかってメタバースで検証実験ができます。
たとえば、どのパラメータを変更すれば、その人はどんな行動をとるかとか、社会はどう変わるとかって社会実験です。

そして、それを世界で初めて行おうとしてるのが、プロジェクト・エデンです。
プロジェクト・エデンは、心をもったAIアバターがいるメタバースを作るという壮大なプロジェクトです。
今、プロジェクト・エデンは、クラウドファンディング実施中です。
ただ、このクラウドファンディングも、5月14日で終了します。

今回のクラウドファンディングは、購入型クラウドファンディングといって、リターンを購入してもらうタイプです。
次回、予定してるクラウドファンディングは、株式投資型クラウドファンディングというもので、これは、ロボマインド社の株を購入するというものです。
ただ、株式投資型クラウドファンディングというのは、審査がかなり厳しくて、誰でもできるわけじゃありません。
だから、まだ、この話は決定事項じゃありません。

それから、もう一つの問題は、買う側も、審査というか準備が必要です。
だから、募集開始してから準備しても、買えないことが多いそうです。
すぐに買えるのは、普段から、株クラファンで株を買ってる投資家だけだそうです。
なので、もし、本当にロボマインドの株を買いたいとおもったら、前もって、準備しておかないといけません。

僕としても、ロボマインド株は、儲かりそうだからって買う投資家より、本当に、ロボマインドを応援してくれてる人に買ってもらいたいと思っています。
なので、株クラファンを実施することがきまったら、今回、リターンを購入してくれた人に真っ先に連絡いたします。
もし、ロボマインドの株を持ちたいと思ってる方は、今回のクラウドファンディングで、リターンを購入しておいてください。
クラウドファンディングは、5月14日の日曜で終了です。
あと少しとなります。
ぜひ、最後まで、よろしくお願いいたします。

それから、チャンネル登録、高評価もお願いしますね。
それでは、次回も、おっ楽しみに!